今年上場のHEROZ代表がTC Tokyoに登壇、“スタートアップ氷河期”と言われた創業当時を振り返る

11月15日、16日に開催する僕たちの年次イベント「TechCrunch Tokyo 2018」に登壇いただくスピーカーをまた1人紹介しよう。2018年4月20日に東証マザーズ市場へ上場したHEROZの代表取締役、林隆弘氏だ。

HEROZは、人工知能を活用したインターネットサービスの企画・開発・運営を手がける日本のスタートアップ。各種AIエンジンを自社で作り上げる高い技術力が同社の強みだ。2017年にはHEROZリードエンジニアの山本一成氏が開発した将棋AI「Ponanza(ポナンザ)」が現役将棋名人に勝利。HEROZの技術力に一層の注目が集まった。

山本氏のほかにも、世界コンピューター将棋選手権で優勝した将棋プログラム「Apery(エイプリー)」の開発者である平岡拓也氏など優秀なエンジニアを多く抱えるHEROZ。総従業員数40名のうち約3分の2がエンジニアという、まさに“技術ドリブン”という言葉が相応しいスタートアップだ。

HEROZでは創業当初から培ってきたAI関連技術を活用し、ダウンロード数が約480万を超す「将棋ウォーズ」をはじめとする頭脳ゲームアプリを多数展開。そのBtoC事業が現時点における収益の柱だ。そのC向け事業に加え、近年のHEROZが「成長分野」と位置づけて注力をするのが、これまで将棋AIの開発で培った技術を標準化して法人向けに展開するBtoB事業だ。

HEROZの2018年4月期決算資料より

同社は機械学習やディープラーニングをサービスとして提供するMLaaS(Machine Learning as a Service)の「HEROZ Kishin」を開発。同サービスを金融、建設、品質管理など幅広い分野に展開している。2017年に資本業務提携を結んだハーツユナイテッド(現デジタルハーツホールディングス)との協業では、HEROZ Kishinによってソフトウェアテストやデバックを自動化するなどの実績をつくった。また、マネックス証券との協業では、AIがユーザーの投資行動を学習することでその後の投資技術の向上をサポートしたり、過去の取引データを分析することで不正取引の検知をするなどしている。

そんなHEROZの創業は2009年4月。“スタートアップ氷河期”と言われる時代だ。今でこそ「〇億円調達」という言葉をよく目にするようになったが、当時はリーマンショックのあおりで日本のスタートアップ業界も息を潜め、そうした資金調達のニュースすら少ないような状況だった。そんな中、HEROZは創業直後の2009年6月にジャフコなどから1億円を調達するなど当時から“大物ルーキー”として注目される存在でもあった。

今年のTechCrunch Tokyoに登壇する林氏には、上場年となる今年に改めて創業当初を振り返っていただき、氷河期と呼ばれる時代に起業家になることで得た経験、学び、苦労を大いに語って頂きたいと思っている。そのような経験談は、若い世代の起業家にとっても非常に有意義なものとなるはずだ。また、「将棋ウォーズのHEROZ」と称されたBtoC中心の時代から、BtoB事業にも重きを置く現在のビジネスのかたちへの変遷、そして、上場企業となったHEROZのこれからの戦略についても聞きたいと思っている。

残念ながら、学生限定の割引チケットである「学割チケット」はすでに売り切れてしまった。でも、9月18日までは、通常料金よりも大幅に割引された「超早割チケット」を手に入れることができるので、下のリンクからぜひ購入いただきたい。

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投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。