保証期間切れのiPhoneバッテリーを29ドルで交換するというAppleの約束が実行に移された。iPhone 6以降でバッテリー問題を抱えているユーザーが対象となる。Appleでは 当初特別価格でのバッテリー交換プログラムの開始時期を1月後半としていたが前倒しになった。Appleがバッテリー劣化によりiPhoneの旧モデルの性能を低下させているという問題を認めたことから、同社に対して激しい非難の声が上がっていた。
先週末TechCrunchに送られたコメントでAppleは「われわれは準備にまだ少し時間を必要とする。顧客に対する〔修理費用の〕引き下げはただちに実施する。ただし交換用バッテリーの供給は当初多少制限されるものと思われる」と述べていた。
つまりユーザーとしてはかっこうの機会を逃すな、ということだ。保証が切れた機種のバッテリー交換で50ドルのディスカウントというのはAppleとしては稀な公の謝罪とみていい。大勢のユーザーがこのチャンスにバッテリーを交換し、iPhoneの旧モデルの寿命を少し伸ばすことになるだろう。ライバル・メーカーはこのスキャンダルを最大限に活用しようとしている。Samsung、HTC、LG、Motorolaなど主要なライバルは一斉に「われわれはバッテリーに関してこうした〔計画的劣化という〕手法を採っていない」と主張している。
昨日、iFixitはこのニュースを受けて、iPhone用バッテリー交換キットの価格を29ドルに下げた。これはAppleのバッテリー交換費用と同額だが、iFixitのバッテリー交換キットの売れ行きは急上昇しているという。iFixitはAppleのバッテリー交換ブログラムでは待ち時間が長くなる可能性があることを注文殺到の理由に上げている。
実際、iPhoneの性能を計画的に低下させることを許したAppleの透明性の欠如した体質に加え、同社も認めているように、当初交換用バッテリーの供給が十分でない可能性があること、またAppleのジーニアスバーの予約を取らねばならないことがユーザーに大きなフラストレーションをもたらしている。また今日以前にバッテリー交換を申し込んでいる場合は50ドルの割引は適用されない。
とはいえ、バッテリー交換価格の大幅割引はよいことだ。あとはサプライチェーンが十分な量を供給できることを祈りたい。Appleではバッテリー交換に関してサイトに詳細を掲載している。
〔日本版〕Appleの日本サイトにはまだ特に発表がないもよう。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)