今週のUS記事総まとめ ― IEゼロデイ問題は「事態」を変えたのか、等

今週の記事を見なおしていて頭に浮かんだのは「変化」というキーワードだった。「変化があたりまえ」のネット世界では「ドッグイヤー」などという言葉は既に死語になりつつあるのかもしれない。しかしそんな中、変化への「指向」があったりあるいは「抵抗」があったり、あるいは社運をかけての「選択」が見えてきそうな感じがする一週間でもあった。

「事態」は変わるのか? ― IEのゼロデイ問題

ゴールデンウィークでホリデームードもあった今週ながら、全世界をまきこむビッグニュースがあった週でもあった。もちろんInternet Explorerの話だ。TechCrunch Japanでも4月29日に「IEのゼロデイ問題、Windows XPの危険性を白日下に晒す」を掲載している。

インターネット業界では「またIEか」という受け取りもある中、XPのサポート停止と重なったこともあり、「一般」の人の注目も集めることとなった。

もちろんMicrosoftの動きは迅速で、即時に修正プログラムが配布され、そしてサポートが終了したはずのXPも修正プログラム配布対象となった。記事は「Microsoft、IEの深刻な脆弱性の修正アップデートをリリース―特例でXPユーザーにも」。

XPのサポート停止とゼロデイ問題の顕現が重なったこともあり、あるいは全般的なセキュリティ意識が高まるということもあるのではないかと考える人もいたことだろう。しかし「事態」の変化には時間がかかる。「Windows XPは死を拒否, 4月のシェア落ち込み幅はわずかに1.5%」にもあるように、XPは相変わらず多くの企業で用いられているようだ。

さまざまなサービスに見られる「事態」の変化

Foursquare、チェックインを廃止して新アプリに移すと発表―Yelp的な推薦と発見に特化へ」は非常に多くの注目を集めた。これに「微妙」な感想をもつ人も多いのではなかろうか。

国内では「メイヤー」に対するサービスなどがほとんど普及しないこともあって、Forusquareは単に位置情報の「ゲーミフィケーション」を行ったアプリケーションであると捉えられ、かつ「過去のもの」的な扱いを受けることも多い様子。今回の記事をきっかけに「チェックインするのが好きだったのに」というようなツイートも多く見られる。「やっぱりそうだよね!」などと感じつつ、しかしこういうときでなければそういう声が聞こえなかったという事実に思いを寄せる人も多いだろう。

Foursquareファンとして、今後の動きを見守っていきたい。

ところで変化と言えばTwitterのプロフィールページにも、比較的大きな変更が加えられている。「Twitterのプロフィールページ変更で思う、『自己表現』可能性のこれから」という記事が出ている。

Twitterは登場した当初「会話」を行うプラットフォームとして注目された。しかし徐々にブランドなどの参入も増え、情報の拡散ツールとして使われることも多くなっていった。Twitterがどのような方向に進んでいくのか、Twitter社としてどう考えているのかということについて、今回の変更からうかがい知ることができるのかもしれない。

ところで今回のTwitterプロフィールの変更は「Facebook化」という風に説明されることもある。そんな中、Facebookもf8カンファレンスにて「変化」のアナウンスをしている。

たとえば今後の動きが楽しみなのは「Facebook、 いよいよサードパーティへのモバイル広告配信ネットワーク、FANをローンチ」だ。「Facebookがトレンド情報などメディアが食いつきそうな一連の新API集合を提供開始」という記事もあった。まとめとして「今年のf8でFacebookがローンチしたもののすべて…そしてその背景」も必見だ。

TwitterのFacebook化が言われる中、Twitterが果たしていた役割を、Facebookに取り込もうとする動きもあるのだ。

いっそう激しくなる(?)ハードウェア界での「変化」

IoT(Internet of Things)という言葉が一般化する中、あるプロダクトの「進化」ないし「変化」を見るのに、「ハードウェア」分野であるのかそれとも「ソフトウェア」分野のものであるのかの区別が難しくなったように思う。

たとえば「ここまで進化したGoogle自動走行車―新しいビデオを公開」という記事も多いに注目を集めた。

果たしてこれを「ハードウェア」面での進化と言って良いのかどうかよくわからない。ただここでは「ハードウェアが関与する」という意味で、「ハードウェアの進化」としておこうと思う。

もう少し「軽いノリ」でハードウェアの進化を感じさせてくれるのがこちら。「ドローン+Oculus Rift+頭の動きに連動するカメラ=空を自由に飛び回る!」という記事を掲載した。ドローンに取り付けたカメラの動きを実際の身体の動きに連動させることで、より「リアル」な体験をもたらそうとする。

ところで変化というのは「オリジナル」ないし「基本(ベーシック)」があって、そこに生じるものだ。そんな中、最後に「50歳を迎えたBASIC」の記事にリンクしておこうと思う。

Maeda, H


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。