仮想イベントプラットフォームのHubiloがLightspeedのリードで4.7億円調達

2020年初め、イベント分析プラットフォームHubilo(ハビロ)の創業者らは、新型コロナウイルスの影響を乗り切るために仮想イベントプラットフォームへの転換を図った。同社は米国時間10月26日、Lightspeedがリードするシードラウンドで450万ドル(約4億7000万円)を調達したことを発表した。今後数カ月の予約は年換算で1000万ドル(約10億5000万円)を超え、100万人以上の参加者を受け入れると見込む。

このラウンドには、FreshworksのCEOであるGirish Mathrubootham(ギリシュ・マスルブーハム)氏、LinkedIn Indiaの元CEOであるNishant Rao(ニシャント・ラオ)氏、Slideshareの共同創業者であるJonathan Boutelle(ジョナサン・ブテル)氏、HelpshiftのCEOであるAbinash Tripathy(アビナッシュ・トリパシー)氏などのエンジェル投資家が含まれる。

Hubiloのクライアントには国連、Roche、Fortune、GITEX、IPIシンガポール、Tech In Asia、Infocomm Asia、Clarion Eventsが含まれている。同社はサンフランシスコに本社を置いているが、現在、売上の約12%は東南アジアからであり、この地域でさらに規模を拡大する予定だ。また米国、欧州、中東、アフリカの市場にも力を入れている。

Hubiloの創業者でCEOを務めるVaibhav Jain(ベブハブ・ジェイン)氏は、パンデミック前は顧客の多くが大規模なイベントの開催を支援するためにプラットフォームを使う企業や政府であったとTechCrunchに語った。そうした企業や政府はまた、最初に対面イベントの開催を取り止めた先でもあった。

2月の時点で「すべてではないにしても、ほとんどの物理的なイベントが世界中で延期またはキャンセルされていることを我々は知っていました。 オフラインイベントの需要の減少に対応するために、無料で契約をさらに6カ月延長することに合意しました」とジェイン氏は述べた。「しかし、これでも当社のクライアントを維持するのに十分ではありませんでした。彼らのほとんどは契約をキャンセルするか、契約を無期限停止にしました」。

その結果、Hubiloの売上高は2月にゼロにまで落ちた。ジェイン氏によると、約30人の従業員を抱えながら3カ月分の準備金しかないという状況で、会社を閉めるか代わりとなるモデルを見つけるかを選ぶ必要があったと述べた。Hubiloのチームは、1カ月足らずでバーチャルイベントプラットフォームのMVP(実用最小限の製品)を作成し、クライアントに無料で使用するよう説得することから始めた。その最初のバーチャルイベントは2020年3月に開催され、「それ以来、振り返ることはありませんでした」とジェイン氏は述べた。

これは、HubiloがCventやHopin(TechCrunch Disruptのホストが使用した)といった他のバーチャルイベントプラットフォームと競合していることを意味する。ジェイン氏は、主催者にバーチャルスペースでのブランドを再定義する機会を増やすことで、他社との差別化を図っていると述べた。参加者のエンゲージメントを高めるためのコンテスト、イベントフィード、バーチャルラウンジなどのスポンサーシップの機会に焦点を当てている。Salesforce、Marketo、HubSpotとの統合を含むデータ分析機能も提供する。

非常に多くのイベントがバーチャル化され「Zoom疲れ」や「ウェビナー疲れ」という言葉を耳にする機会が増えた昨今、イベントの主催者はチケットを購入するよう人々を説得するだけでなく、イベント中も参加し続けてもらうよう努力する必要がある。

Hubiloは、リーダーボードなどの機能によりバーチャルイベントへの参加体験を「ゲーム化」する。これにより主催者は、セッションの視聴、バーチャルブースへの訪問、メッセージ送信などにポイントを割り当てることができる。その後、最も多くのポイントを獲得した参加者に賞品を贈ることもできる。ジェイン氏はリーダーボードがHubiloで最も使用されている機能であると述べた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Hubilo資金調達

画像クレジット:Hubilo

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(翻訳:Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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