どこにいても‘そこが’仕事場になる、という意味のWorkspotは、仮想デスクトップのプロバイダにふさわしい名前だ。それをさらに、よりふさわしくしたい同社はこのほど、技術の改良と企業向け営業の拡大を目指して500万ドルの資金を調達した。幹事投資会社はHelion Ventures、これにTranslink CapitalとQualcomm Venturesが参加した。
企業向けの営業は、世界の2000社を対象に行っていく。また合衆国国内では、中企業やFortune 500社企業にも営業を仕掛けていく。
仮想デスクトップをSaaSで提供している企業はほかにもあり、それぞれが、会社のアプリケーションやドキュメントへの、社員のパーソナルコンピュータからのアクセスをサポートしている。しかしWorkspotの特長は、サーバやクラウドインフラをユーザ企業がセットアップしなくてもよいことだ。つまりユーザの手を煩わすことのない“完全なSaaS”だ。
たとえば同社の最大のコンペティタであるAmazon WorkSpacesでは、ユーザがAmazon Web Services(AWS)使って自分とこのソフトウェアやデータをそっちへ移さなければならない。
“そのやり方はセキュリティに不安があるし、アプリケーションとデータをサードパーティのクラウドへ移動する作業は、相当に面倒だ。Workspotのソリューションは、既存のセキュリティモデルとインフラストラクチャをそのまま利用する。会社のデータも、今あるそのままでよい”、協同ファウンダでCEOのAmitabh Sinhaはそう主張する。“会社のアプリケーションやデータをどこへも移動する必要がない”。
社員は自分のPCやモバイルデバイスでWorkspotのクライアントやアプリを開き、PINを入力する。すると仮想デスクトップが表示され、会社のアプリケーションやファイルやVPNを使えるようになる。
Apple製品を使っている企業からの要望に応えてWorkspotは最近、Macのサポートを加えた。これで、これまでMac上でWindowsの仮想マシンしか使えなかったMacユーザも、Workspotを喜んで使えるようになるだろう。このMacサポートは、最近のレティナディスプレイのMacbook Proでも利用できる。