仲間とコンテンツや時間を共有するオンラインのたまり場を作り出す音声SNS「パラレル」

部室や行きつけの飲み屋のように、仲間と集まる「いつもの場所」がオンラインにもあったら……。そんな発想から生まれた、オンライン上のたまり場を作り出す音声SNSのパラレル。同サービスはオンラインコンテンツを一緒に楽しむ方法として、Z世代を中心にユーザーが友達を誘うかたちで人気を広げている。

Discordなどもゲームを離れた友達と共に楽しむツールとして活用されているが、パラレルにはパーティ機能と呼ばれるミニゲームも備わっており、共通するコンテンツがなくても、仲間とオンラインで遊べるようになっている。

パラレル上でフレンドになるとルームを作ることができ、仲間のうち今誰がオンラインなのかも確認できる。ミュート人数も含めると最大約50名まで利用可能だが、4、5名でワイワイと楽しむ利用方法が多いという。iOSとAndroidに対応しており、スマートフォンやタブレットで楽しむことができる。

パラレルを運営するReactは2017年7月設立し、2019年8月にサービスをローンチした。2020年春には、シリーズAでANRIW venturesheyのCEOである佐藤裕介氏、メルペイCEOの青柳直樹氏などから4億円を調達している。当時、パラレルは日次アクティブユーザーが前週対比8〜9%で成長しており、その成長性を見込まれた。2020年末には100万ダウンロードを達成。同社は次の調達も見据えて採用も強化しており、さらなるユーザー獲得を目指す。

集まるきっかけを提供

左が代表の青木氏、右が共同代表の歳原氏

代表の青木穣氏は、元々オンラインよりオフラインで交流するタイプだったという。共同代表の歳原大輝氏とは中高一貫の男子校時代からの付き合いで、以前から仲のいいグループで度々集まっていたが、それぞれの結婚や育児を理由に直接会う機会は減ってしまっていた。そんな中、PUBGを一緒に遊ぼうと再びオンラインで集まることがあった。それはとても楽しいもので、その経験がサービスを作るに至るきっかけになったと語る。

「みんな誰かと一緒に何かを楽しみたい。けれど、電話をかけたりメッセージを送るという行為は、電話番号やIDを聞いてお互い登録して、今大丈夫かな、返事はくるかなと気を揉まなければならず、意外とハードルが高い。その戸惑いをなくしたいと考えました」と歳原氏も語る。若い世代のユーザーが多いこともあり、パラレルは例えば高校卒業後に進学先がバラバラで会えなくなった時の交流方法としても広まってほしいという。

現在、たくさんの音声SNSはリリースされているが、Reactは自分たちのサービスをどう位置づけているのだろうか。青木氏は、オンライン交流ツールは大きく3つに分かれると語る。「ClubhouseやSpoonなどのブロードキャスト型。Yay!KoeTomoなどのマッチングサービス型。そして自分たちのような相互コミュニケーション型。私たちが最も重視しているのは交流であり、集まることを実現するたまり場であること。これこそが本質的な意味でのSNSだと考えています」。

人気コンテンツをきっかけにオンラインの世界へ

代表の2人は、多くの人にオンラインコンテンツを共有する楽しさを知って欲しいという。歳原氏は元々オンライン寄りの人間とのことで、新型コロナウイルスが流行する以前からオンラインの世界に魅了される人は増えていると感じていたという。「2020年夏にもAmong usというオンラインゲームが世界的に流行しました。それまでゲームをしたことがなくても、『あつまれ どうぶつの森』や『フォートナイト』『桃鉄』といった人気タイトルをきっかけに、オンラインの世界に足を踏み入れる人は今後も増えると考えています。その時にみんなが違和感なく楽しめる世界を作りたい」。

同社は、housepartyやフォートナイト、Robloxが近いコンセプトだと考えているそうだ。オンライン上に、常時接続によるシームレスなコミュニケーションの場を提供するプレイヤーが増えている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Reactパラレル音声ソーシャルネットワーク日本

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TechCrunch Japan

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