企業向けのモバイルセキュリティサービスを提供するスタートアップのBlueboxが、シリーズBにて1800万ドルの資金を調達した。このラウンドに参加したのはTenaya Capital、Andreessen Horowitz、Sun Microsystemsの共同ファウンダーであるAndreas Bechtolsheim、およびSV Angelだ。Tenaya CapitalのBrian Meltonは、Blueboxの取締役に就任する。今回のラウンドにより、調達額合計は2750万ドルになる。シリーズAは2012年7月に950万ドル規模にて行われている。
尚、このBlueboxは2年前から活動を行っているのだが、未だに一種のステルスモードにある。しかしどうやらいよいよ公に活動する時期が迫っているという話だ。明らかにされているところでは、このBlueboxは企業向けにモバイル関連のセキュリティソリューション・サービスを提供する。いろいろな調査でも明らかになっているように、今や従業員の85%が、自分たちのスマートフォンやタブレットを使って、個人用途と仕事用途双方のアプリケーションをインストールしたり、あるいはウェブサービスを利用したりしている。これにより企業にとってのセキュリティ面での危険性が増すことにもなっている。Bluboxは、こうした従業員所有によるデバイスの企業データへのアクセスを容認しつつ、適切なセキュリティ機能を提供しようとするものだ。
これだけではBlueboxの提供するサービス内容がよくわからないが、しかし同社には名の知れた企業セキュリティ関連のエキスパートが集っているのだ。たとえばCEOのCaleb SimaはSPI Dynamicsの買収によりHPで仕事をしていた人物で、HPではApplication Security CenterのCTOを務めていた。ウェブアプリケーションにおけるセキュリティソリューションの構築の責任者であったわけだ。またSPIの前にはInternet Security Systems (ISS)のX-Force R&Dチームに所属していて、S1 CorporationでのSecurity Engineerとしての経歴も持つ。共同ファウンダーのAdam ElyもSalesforce.comのHerokuにてChief Information Security Officerを務めていた。またTiVoでもセキュリティ部分を担当し、Walt Disney CompanyのDisney.comやESPN.com、あるいはABC.comなどのセキュリティ担当も行った。Sima曰く「Blueboxではデータ面からするアプローチで、モバイルセキュリティに本当に必要なことはなにかということを考えぬいたユニークなサービスを提供します」と述べている。
2012年にBlueboxを立ち上げた際、Simaは他者との大きな差別化要因のひとつは同社が持つ「セキュリティDNA」にあるのだと話していた。「対処しなければならない問題は何かということについて、私たちは正確な認識をもっています。そして対処方法も熟知しているのです」とのことだった。「これまでに私たちと同様のアプローチをとっているサービスはありません。既存サービスに対し、正面から戦いを仕掛けて業界内地図を完全に塗り替えていくつもりです」とも述べていた。
社員による個人モバイルデバイスを使った企業データへのアクセスはますます増加する傾向にある。厳重なセキュリティ対策の実現は企業にとって喫緊の課題となっている。もちろんこの分野に取り組むのはBlueboxのみではない。サービス展開にあたってはLookoutなどと競合していくこととなる。また、この分野においては、有望なスタートアップを買収する動きも活発化している。OracleやIBMなども買収など、この分野への参入を目指しているようだ。
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(翻訳:Maeda, H)