企業内の「時間の使われ方」を分析するTime is Ltd.が、約6.1億円を調達

企業の生産性分析を手がけるスタートアップ企業のTime is Ltd.(タイム・イズ・リミテッド)は、会社時間にとってのGoogleアナリティクスになろうとしている。あるいは、企業にとってのApple(アップル)のスクリーンタイムのようなものか。いずれにしても、企業内における時間の使われ方をマッピングすることができれば、膨大な生産性の向上が可能になり、お金をより有効に使うことができると、同社の創業者たちは考えている。

Time is Ltd.は今回、レイトシードラウンドで560万ドル(約6億1000万円)の資金を調達した。この投資ラウンドはロンドンを拠点とするChalfen Ventures(チャルフェン・ベンチャーズ)のMike Chalfen(マイク・チャルフェン)氏が主導し、Illuminate Financial Management(イルミネート・ファイナンシャル・マネジメン)、Acequia Capital(アセキア・キャピタル)、既存の投資家であるAccel(アクセル)、そしてエンジェル投資家としてSeal Software(シール・ソフトウェア)の前会長だったPaul Sallaberry(ポール・サラベリー)氏と同社の取締役だったClark Golestani(クラーク・ゴレスタニ)氏もこのラウンドに参加。さらに契約文書分析企業であるSeal Softwareの創業者で元CEOのウルフ・ゼッターバーグ(Ulf Zetterberg)氏が、社長兼共同創業者として会社に加わることも発表された。

このベンチャーは、2020年買収されたSocialBakers(ソーシャルベーカーズ)の創業者として知られるシリアルアントレプレナー Jan Rezab(ヤン・レザブ)氏の最新作だ。

非効率な会議、しつこい通知チャット、各種ビデオ会議ツール、メールの大洪水などは、我々の誰もが経験していることだろう。Time is Ltd.は、Microsoft 365(マイクロソフト365)、Google Workspace(グーグル・ワークスペース)、Zoom(ズーム)、Webex(ウェベックス)、Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)、Slack(スラック)などのインサイトやデータプラットフォームを取得することで、この問題に対処しようというのだ。収集されたデータとインサイトは、経営陣が会社の生産性、エンゲージメント、コラボレーションを測定する新しいアプローチを理解し採用することに役立つと、このスタートアップ企業は述べている。

同社は現在、企業が参照できる400の指標を収集しているという。例えば、The Wall Street Journal (ウォール・ストリート・ジャーナル)がTime is Ltd.に設定したタスクによると、Slackと電子メールの平均応答時間を比較した場合、Slackが16.3分であるのに対し、電子メールは72分だった。

チャルフェン氏は次のようにコメントしている。「ハイブリッド型や分散型のワークパターンを測定することは、すべての企業にとって重要です。Time Is Ltd.のプラットフォームは、このような測定を簡単に利用でき、種類が異なる非常に多くの組織にとって実用価値があります。世界中のすべての企業に仕事の改善をもたらすことができると信じています」。

レザブ氏は次のように語っている。「社内のコラボレーションやコミュニケーションに関するこのようなデータを、プライバシーに配慮した方法で、既存のビジネス指標と一緒に分析することができれば、すべての企業にとって社内の鼓動を理解することにつながります。今後10年以内には、これらのプラットフォームからのインサイトを無視できないことに誰もが気づくでしょう」。

欧州のオンライン食品販売業界をリードするRohlik Group(ローリック・グループ)の創業者でグループCEOであるTomas Cupr(トーマス・クプル)氏は、次のように述べている。「パフォーマンスデータを利用する従来のBI(ビジネスインテリジェンス)アプローチとともに、Time is Ltd.を利用することによって、チーム内のコラボレーション方法を改善し、社内およびベンダーとの仕事の進め方を改善することができます。Time is Ltd.が提供するデータは、ビジネスリーダーにとって必要不可欠なものです」。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Time is Ltd.資金調達データ分析

画像クレジット:Time is Ltd. founders

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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