住宅用再生エネ開発を行うSwell Energyが分散型電力プロジェクト建設に向け470億円調達

住宅用再生可能エネルギー、エネルギー効率、貯蔵技術に関する設備据え付け及び管理を行うSwell Energy(スウェルエナジー)が4億5000万ドル(約470億円)を調達する。調達によって建設する4つの仮想発電所は、太陽光発電能力とともに大量のエネルギー貯蔵能力を備える。

これは、再生エネ開発の分散性と、僻地から電力網へ供給する大規模な発電プロジェクトから実際の消費地に散らばる小規模な点としてのソリューションへの移行の兆候だ。

このプロジェクトは、200MWhの分散型エネルギー貯蔵と100MWの太陽光発電能力の組み合わせだと同社は述べた。

ロサンゼルスを拠点とするSwellは3つの州の電力会社から、分散可能なエネルギー貯蔵施設を確立するよう委託を受けた。同社は、約1万4000の太陽エネルギー発電および貯蔵システムの構築と集約を通じて達成する予定だ。目標は地域の電力網をより効率的にすることだ。

上記のプロジェクトや同社が今後開始を見込むプロジェクトに資金を供給するため、SwellはAres Management CorpおよびAligned Climate Capitalと契約を結び、4億5000万ドル(約470億円)を目標とする仮想発電所の融資ビークルを組成した。

この融資会社は、全米で太陽光発電と蓄電池の複合契約のような電力プロジェクトの開発を支援する。

Swellは今後20年間で、3000GWh以上のクリーンな太陽光エネルギー発電の開発を目標としている。顧客は後で使用するために1000GWhを貯蔵し、貯蔵されたエネルギーから200GWhを電力網に送り返す。

カリフォルニアのような州を悩ませてきた電力不足や計画停電の影響を受けにくい、より弾力性のある電力網を構築できる可能性がある。

「電力会社は貴重な『グリッドエッジ』資産として分散型エネルギー資源にますます注目しています」と、Swell EnergyのCEOであるSuleman Khan(スールマン・カーン)氏は声明で述べた。「個々の家や企業を仮想発電所のネットワークに組み入れることで、Swellは顧客の所有コストを削減し、電力会社が電力網全体の需要を管理できるよう支援できます」とカーン氏はいう。「SwellからGridRevenueを受け取ることで、VPPプログラムに参加している顧客は、太陽光エネルギー発電と貯蔵システムにかかる費用を削減しながら、地域の停電リスクを軽減し、停電後も家庭や企業に安全に電力を供給できます」。

Swellは、仮想発電所への融資ビークルの立ち上げに加え、住宅所有者の住宅エネルギーシステムに融資する方法を提供する。発電所を稼働させるには住宅所有者からの賛同が必要となる。住宅所有者の場合、電力をグリッドに供給することでいくらかお金を取り戻すことができる。

これは企業、顧客、Swellのシード投資家であったUrban.usのようなアーリーステージの投資家いずれにもメリットがある。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Swell Energy資金調達

画像クレジット:Gencho Petkov / Shutterstock

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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