元ソニー研究者が手がけるのはGoPro6台を使った驚異の全方位動画–Oculusとも連動

とにかくまずはこの動画を見て、そして驚いて欲しい。

これはカディンチェが手がけるパノラマ動画制作サービスのデモ動画だ。GoProのカメラ6台を組み合わせて縦横360度すべての動画を同時に撮影。その映像を合成、編集することで、再生中にも360度全方位を自由に閲覧できる。

作成した動画はウェブサイト上に埋め込めるほか、スマートフォンアプリでの再生、ヘッドマウントディスプレイの「Oculus Rift」へも対応している。Oculus Riftでは、ユーザーが向く方向に連動して表示する動画の方向が変わるため、非常に臨場感のある映像体験ができるという。

同社では間もなくこのパノラマ動画制作サービスを本格始動する。5〜10分の動画の制作を予定している。

カディンチェは、ソニー研究所に在籍していた研究者が中心となり2008年に設立された。独自の室内空間3Dモデリング技術をもとに、全方位のパノラマ写真の制作サービスを展開。また、このパノラマ写真を使ってリアル店舗を再現したECサイトなどを構築している。

これまで静止画で提供してきたこのパノラマ写真のノウハウを動画に応用したのが今回のサービスだ。同社ではスポーツの撮影や、観光地のガイド動画など、さまざまな用途を想定する。Google マップのストリートビューを初めて見たとき、その臨場感に驚いたユーザーは少なくないだろう。だが動画であれば、より迫力のある体験ができるのではないだろうか。

パノラマ写真については100万円程度で制作してきた同社だが、動画の普及に向けて試験的に20万円程度で提供して行く予定だ。最近ではウェブメディアも動画に力を入れることが増えてきたし、手軽なところでは6秒間の動画をアップロードできる「Vine」なども人気だ。これまで以上に動画に注目が集まる中で、このようなサービスのニーズも高まってくるだろう。

なお、海外ではイギリスの「yellowBird」やノルウェーの「MAKINGVIEW」などが競合となるパノラマ動画制作サービスを展開しているほか、Kickstarterで注目を集めた全方位カメラ「bublcam」も7月に発売が予定されている。


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TechCrunch Japan

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