NPDの調査によると、Apple Watchの発売をうけて、アメリカの時計売上が2008年以来最低の水準になっているのだそうだ。7月の腕時計の売上額は3億7500万ドルで、これは昨年比で11%の下落となっているのだとのこと。
この下落幅は、2008年の経済危機の中でのものに匹敵するものなのだそうだ。
ただし、売上額の大幅減少の原因がAppleにあるというのは言い過ぎであるだろう。しかしPebble、Motorola、Fitbit、そしてAppleなどが次々にスマートウォッチを発表していることが、ファッションウォッチ市場に影響を与えていることは間違いないものと思われる。
もともと、夏は腕時計メーカーにとって厳しい季節ではある。卒業記念にロレックスをというシーズンでもない。まとまった祝日もなく、免税商品をかいまくる旅行者もやってこない。いずれにせよ、売上成績が落ち込む時期ではあるのだ。
さらに加えて、メーカー側が消費者の動向に応じた細かなモデルチェンジなどに気乗り薄であるらしいこともある。ローエンド機種ではSwatchのSistem 51が人気を集めたりもしているが、多くの時計メーカーはホリデー販売の依存する低価格なファッションウォッチ市場から撤退しつつもあるのが現状だ。
すなわち、そもそも腕時計業界は停滞期にあるわけだ。今ではFossilとFitbitに悩んだときに、テックに親しんだ若者たちはFitbitを選ぶ時代だ。腕時計にいろんな価値を見出していた年代には受け入れがたいことかもしれないが、腕時計業界は大きく変化しつつあるのだ。
[原文へ]
(翻訳:Maeda, H)