処理能力が向上し、Wi-FiとBluetoothにも対応した新型Raspberry Piが登場

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大きく刷新したRaspberry Piのマイクロプロセッサーが今日発表された。Pi 3 Model BのボードがPiシリーズの新しい最上級プロダクトとなる。64bit 1.2GHz クアッドコアチップセットと1GB RAMを搭載し、Pi 2より50%処理能力が高まったと謳っている。価格は35ドルのままだ。オリジナルのModel B Piがデビューした4年前から値札は一緒だ。

ちょうど昨年の今頃、Pi Foundationは900Mhzクアッドコアの Pi 2をローンチした。これは当時、Pi製品ラインにおける最上級品だったModel B+ボードより6倍早く、お手軽価格で買える「エントリーレベルのPC」と銘打っていた。これも価格は35ドルだ。

Pi Foundationは、Pi 3を「何かにエンベッドする類のプロジェクトやIoTの可能性を広げます」と宣伝している。BBCのインタビューでPiのファウンダーであるEben Uptonは「このPiは初めてTVの裏にでも貼り付けて、その存在を忘れても良いものです」と話す。

「多くの人はPiをPCの代用品として使うか、何かにコンピューターを内蔵するために使います」と言う。「このPi 3では他にできることを探すのではなく、その2つのことがより良くできるように特化しています」。

Pi 3の重要なポイントは、ワイヤレスLANとBluetoothを搭載したことだ。Pi 2はEthernetを搭載しているが、ボードをワイヤレス対応にしたい人は、自分でwi-fiやBluetooth接続が可能となる装置を付け加えなければならなかった。Pi 3ではワイヤレスのためのアドオンを購入しなくても良くなり、箱から取り出してすぐにIoT製品の開発を始めたり、自宅にある複数のインターネット接続が可能な端末をリンクさせるIoTハブとして使うことができるようになる。

接続の選択肢が増えたことと処理能力の向上の他に、Pi 3は電力管理と電源入力の切り替えを改良したことで、最大2.5 Ampsまで対応し、より強力な外部のUSB端末を利用することが可能になったとPi Foundationは伝えている。

早くも行われたベンチマークの検証では、Pi 2よりおよそ33%パフォーマンスが向上していることを示した。

昨年の11月、Pi Foundationは別の新型ボードをローンチした。シングルコア1GHzのPi Zeroだ。このプロセッシングのパフォーマンスは大幅に低く、ボードにはインターネット接続のオプションもない(Wi-Fi機器をマイクロUSBポートで接続することはできる)が、価格はたったの5ドルだ。独自のIoTやインターネット接続端末を制作したい人向けであることは価格設定からも明らかだ。

Pi Foundationはより強力で、接続オプションが豊富なPi 3を持って、Pi Zeroで成長を促すことを目指したIoT端末市場に賭ける。Pi 3は、IoTアプリ対応のために設計されたMicrosoft Windows(Windows 10 IoTと呼ばれている。正式名はWindows Embedded)を走らせることができるPi 2に続くものだ。

今日のローンチイベントでPi Foundationは、Microsoftと協力して新型Pi 3とWindows 10 IoTが完全に対応していることを確かめたという。

Uptonは、今日から数十万個のPi 3の販売を開始するとした。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

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TechCrunch Japan

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