インタラクティブ動画の編集ツール「MIL(ミル)」を提供するMILは8月1日、Reality Acceleratorとクリエーティブエージェンシーのトリクルから5000万円を調達したと発表した。同社は日本政策金融公庫から3000万円の借り入れも行なっており、それを含めた調達総額は8000万円となる。
MILが提供するのは、動画のなかに映る人物やモノにタグをつけることでインタラクティブ性をもたせた動画を編集するためのツールだ。ユーザーは動画上に配置されたボタンなどをクリックすることで、例えば動画に映るモノの商品ページに飛ぶことなどが可能になる。
同業他社の編集ツールには広告代理店をメインユーザーとして捉えているものが多いが、MILは例えばスタートアップなどの一般企業でも簡単に使えるようなUI/UXを追求し、価格についてもスタートアップ用プランであれば月額1万円からと安く設定しているという。ユースケースとしては、自社で制作した採用動画にインタラクティブ性を持たせて採用ページに誘導したり、その動画に映る社員をクリックすることで“社員インタビュー”動画を重ねて再生するなどが考えられるだろう。
僕が個人的に面白いと思ったのがこの動画。採用を目的として作成した動画なのだけれど、古き良き時代のアドベンチャーゲームのようなちょっとしたゲーム性も持たせている。ユーザーに3つの選択肢を与え、その答えによってその後の動画が変化する。これを見て、だれか全編動画で制作した本格アドベンチャーゲームを作ってくれないかなと期待してしまった。
インタラクティブ動画がもつメリットについて、MIL代表取締役の光岡敦氏は、「現状では動画広告を通して取れるデータが少なく、それが実際に売上に繋がっているのかが分かりづらいという課題がある。商品ページに遷移させる、クーポンを発行するなど、ユーザーの行動を促すことができるインタラクティブ動画では、売上向上を目的とした動画運用がしやすい」と話す。
2017年12月にリリースのMILはこれまでに150社を超える企業に導入されている。同社は今回調達した資金を利用して、MILの機能拡張や自社アドネットワークによる配信の強化など、重点分野への投資を行うとしている。