FacebookでもTwitterでも、料理動画やガジェットの紹介動画が流れてくるとついつい見てしまう。どのSNSもすでに動画に対応していて、多くのメディアや企業は動画コンテンツに関心を持っている。だが、テレビ局や制作会社でない会社が自社で高品質な動画を制作してマーケティングするのはそう簡単ではない。Viibar(ビーバー)は、その課題を解決するため、プロの動画クリエイターと企業とをつなぐクラウドソーシングサービスを提供している。
Viibarは本日、日経新聞社との資本業務提携を発表した。同時に日経新聞社、電通の100%子会社である電通デジタル・ホールディングス、そして既存投資家のグロービスから総額4億円の資金調達を実施した。
Viibarには審査を通過したプロクリエイターが登録している。企業は指名やコンペ形式で、自社のニーズに最適なクリエイターに動画制作を依頼できる仕組みだ。
Viibarは単に動画に特化したクラウドサービスというだけでなく、プロクリエイター向けの動画制作支援ツールも提供している。動画制作に関わるグループのスケジュール管理やチャット機能などがある。また、クリエイター同士が交流したり、プロジェクトを行うのに必要なスキルを持った他のクリエイターを募ったりする機能なども備えている。
現在3000名以上のプロの動画クリエイターがViibarに登録し、実写はもちろん、アニメやCG、ドローンを使った撮影やVR動画の制作にも対応できるとViibar代表取締役、上坂優太氏は話す。これまでに600社以上のデジタル動画マーケティングを手がけてきたという。
今回の資金調達では、クリエイターがより働きやすくするためのシステム開発を進めること、そして新たに立ち上げたメディア事業に投資していくと上坂氏は言う。Viibarはこれまでクラウドソースによる動画制作と動画マーケティングを主に手がけてきたが、今後はメディア向けの動画コンテンツ制作事業にも注力する。すでにViibarの社内チームは、ヤフーが手がけるエクササイズを紹介する動画メディア「Sporay(スポレー)」のディレクションを担っているという。
今回発表した日経新聞社との資本業務提携もメディア事業での提携だ。Viibarは日経新聞社が展開するライフスタイルメディア「NIKKEI STYLE」における動画コンテンツや動画広告の制作、そして動画コンテンツのマーケティングで協力していく。
2013年4月に創業したViibarにとって、シード投資をのぞくとこれが3回目の資金調達となる。2014年2月にはグロービスとグリーベンチャーズから3億円、そして2015年5月にはヤフー、グロービス、グリーベンチャーズから7億円を調達した。今回の調達を含めるとこれまでに総額14億円を調達した計算だ。
上坂氏はViibarで、クリエイターが適切な対価の仕事がマッチングできる世の中を実現していきたいと話す。オペレーションは機械に任せ、人がクリエイティブな仕事ができるような世界を目指している。