医師が睡眠障害を診断するためのデータを自宅で収集するパッチ開発のTatchが約4.5億円を調達

睡眠時の無呼吸は大きな問題だが、きちんと診断されていないことが多い。たくさんの機械につながれ、医師の監督の下で眠った状態で診断されるからだ。自宅で行う方法はあるが、そのほとんどは重要な数値を集めるために多数のケーブルやストラップ、チューブを使うやっかいなものだ。

Tatchは、無呼吸などの睡眠障害を診断するために必要なデータの収集に役立つ柔らかくて軽いパッチを開発するニューヨークのスタートアップだ。

TatchはTechCrunchに対して、Spark Capitalが主導するシードラウンドで425万ドル(約4億5600万円)を調達したと伝えた。この資金調達にはAbstract VenturesとCorrelation Venturesも参加した。これまでの調達金額の合計は560万ドル(約6億円)となった。同社は新たに得た資金でエンジニアリングとビジネスのチームを拡張し、2020年末までに全体の人数を2倍にしたい考えだ。

米国時間6月22日に、Apple(アップル)はApple Watch用の睡眠トラッカーを発表した。またFitbitsやOura Ringなどの家電製品は、以前から睡眠分析機能を提供している。Tatchが開発しているのは毎晩の睡眠を追跡するためのものではなく、睡眠の問題をいち早く診断し、データを理解できる専門家に相談するためのデバイスだ。

同社CEOのAmir Reuveny(アミール・ルーベニー)氏はTechCrunchに対して、「これは自分で解読する必要のある睡眠トラッカーではない。我々は次のステップにいるユーザーをターゲットにしている。次のステップとは、何かがおかしいとわかっていて、どうなっているかを理解したいと本気で思っている段階ということだ」と述べた。

ユーザーは柔らかいパッチをひと晩中、体につけておく。自発呼吸、呼吸量、酸素レベル、姿勢などのさまざまな信号をセンサーが測定し、睡眠の状態が良くない夜間に身体がどう機能しているかを明確に把握することを目指す。何日かデータを収集したら、データを解釈して問題を診断し今後どうするかを提示できる専門家に相談する。

Tatchによれば、同社のセンサーで睡眠時無呼吸のほか、むずむず脚症候群、不眠、一部の呼吸器疾患などの問題も診断できるようになる予定だという。Tatchは睡眠の健康に関わる企業として、診断を受けるユーザーが自分の症状を改善する方法を延々探し続けることをなくしたいと考えている。ルーベニー氏は、ユーザーを治療に結びつけたり、睡眠の改善を相談できる専門家とのつながりを促進したりする企業にしたいという。

Tatchは2021年前半の販売開始を目指しているため、まだ購入することはできない。同社によれば、デバイスの認可を受けるためにFDA(アメリカ食品医薬品局)との協議を始めたところだという。現在は、数カ月後に開始するパイロットプログラムを準備中だ。

画像クレジット:Tatch

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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