医師や看護師にチャットで相談、“健康経営”推進プラットフォームのiCAREが1.5億円調達

従業員の健康管理サービス「Carely」を運営するiCAREは、Beyond Next VenturesインキュベイトファンドみずほキャピタルSMBCベンチャーキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は1億5000万円だ。

iCAREが提供するCarelyは、従業員の健康状態を管理するための企業向けサービスだ。最近、「健康経営」というワードを耳にする機会が多くなった。これは、健康診断やストレスチェックなど、社員数に応じて義務付けられたものをただ遂行するだけでなく、それ以上に従業員の健康状態を重視することで生産性の向上を目指すという経営手法のことを指す。

「ストレスチェックで“高ストレス”と診断された従業員は、そうではない従業員に比べると2年後の離職リスクが3倍になる」と、iCARE取締役COOの片岡和也氏はいう。

ただ、健康診断結果や産業医との面談内容は紙やエクセルファイルなどでバラバラに保管されていることも多く、情報が横断的に確認できないことから、健康経営を推進するうえでの障害となっているそうだ。

一方のCarelyでは、勤怠データ、健康診断の結果、ストレスチェックの結果、産業医との面談内容などの労務情報を取り込んでオンライン上で一括管理することが可能。それらのデータを元に、どの従業員がどの程度の健康上のリスクを抱えているのかを可視化する。また、企業は法律で定められているストレスチェックをCarelyを通して実施することもできる。

それに加え、従業員がチャット形式で医師や保健師に直接相談できることもCarelyの特徴だ。現在、こういった相談に対応するCarelyのチャットチームは10名ほど。医療系の質問には医師や看護師などの有資格者が対応するが、フィットネス関連の質問には(必ずしも有資格者ではない)トレーナーなどが回答する場合もあるという。その中心メンバーはiCAREの社員であり、チャット対応も同社オフィスから行っている。

片岡氏は、「寄せられる相談の3割は(うつ病などの)メンタル系の内容だ。次に多いのが睡眠に関する相談で、なかには肩こりや腰痛の相談を頂くこともある」と話す。

Carelyの利用料金は従業員1人あたり月額300円。チャット機能はいらないからストレスチェックだけ実施したいという企業向けにはさらに低価格のライトプランもある。また、オプションとして、産業医紹介、健康診断代行、睡眠改善プログラムなども提供している。現在Carelyのユーザー企業数は80社(従業員総数1万5000人)だ。

iCAREは2011年6月の創業で、2016年3月には1億円の資金調達も実施している。

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TechCrunch Japan

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