十代女子に人気の画面共有アプリ「Squad」はZ世代向けZoomを目指す

Zoomは従業員がバーチャルで会うために作られた企業向けソフトウェアであって、ロックダウンで分断された世界を導くソーシャルプラットフォームを意図したものではなかった。

十代女子に人気のモバイル画面共有アプリのSquadは、新型コロナウイルスの影響による自宅待機で利用が急増していることを受けて、デスクトップウェブ版を公開した。テレビや映画を一緒に見ながらおしゃべりができるようにすることで、Zoomの成長の一角を崩し、アプリを幅広くアピールしようとしている。

自宅待機によって消費者をターゲットとするスタートアップの多くが苦戦する中、Squadはティーンが家に閉じ込められて友達と会えないため記録的な成長を遂げている。CEOのEsther Crawford(エスター・クロフォード)氏によると、3月前半の2週間で同社プラットフォームの利用は54%増加した。ロックダウンが長引き学校が完全にリモートに移行すると、Squadの利用は爆発的に増え、3月後半の2週間では1100%の増加となった。

Squadは、友達がスマホで見ているものをバーチャルで一緒に見るソーシャルプラットフォームとして設計されている。モバイルで最も多い使い方は、ティーンがTikTokの動画を一緒に見るというものだ。クロフォード氏は、モバイルアプリはユーザーが短いコンテンツを一緒に見ることで成功したが、新しいデスクトップのウェブアプリでは長いコンテンツをゆっくり見ながらおしゃべりしてほしいと語る。

これほど離れていなくてはならないことは、かつてなかった。クロフォード氏は、この時期に若いユーザーたちがSquadのプラットフォームでつながりを持ってほしいという。

「世界中で孤独はすでに蔓延していた。Z世代(1990年代後半〜2010年ごろに生まれた世代)にとっては特に深刻だ。新型コロナウイルスがこの傾向に拍車をかけたと思う」(同氏)。

Squadの新しいデスクトップアプリの目玉は、Netflixなどのストリーミングでテレビ番組や映画を一緒に見られる機能だ。これまでのSquadでは、これはできなかった。

不正な視聴を防ぐため、ほとんどの有料ビデオモバイルアプリでは画面共有機能は無効になっている。画面が真っ暗になって、Squadのようなアプリでビデオを友達と共有することはできない。大手のプラットフォームはこれまで、この点には目を留めていなかったようだ。デスクトップブラウザにはこのような制限はなく、デスクトップのSquadユーザーは1人のユーザーのアカウントからストリーミングしてブラウザでプレミアムコンテンツを一緒に見ることができる。

デスクトップインターフェイスのクイックコントロールから、YouTubeのビデオやTikTokのほか、Pluto TVの無料コンテンツをすぐに再生できる。

Squadはこれまでと同様に親しい友達づきあいを主眼としていて、グループは最大9人に制限されている。少人数のグループなので、Zoomが直面しているような問題は少なくて済み、またNetflixやHuluから怒りを買うことを回避できるかもしれない。

Squadはソーシャル画面共有でZoomの優位に立とうと狙っているが、クロフォード氏は職場向け製品としてZoomに対抗しようとしているわけではない。Squadがすでに一部のデザイナーやPMのツールになっていて、妥協しながらモバイル版のアプリを使っていると聞いているにもかかわらず、だ。

「我々が法人分野に進出しビジネス向けのSquadを作ったとしたら、それは単なる分散になるだろう」と同氏は語る。

Squadは2019年にシードラウンドでFirst Round Capitalから500万ドル(約5億3500万円)を調達した。クロフォード氏は筆者に対し、最近、広範におよぶ経済の先行き不安に対処するために追加の資金を若干調達したと述べた。同社はこれまでに720万ドル(約7億7000万円)を調達している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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