千葉大学大学院医学研究院整形外科学の研究グループは6月7日、Nintendo Switchのリングフィット アドベンチャーが腰痛や臀部痛の軽減に役立つとする研究成果を発表しました。研究論文は米学術誌Games for Health Journalに掲載されたとのことです。
コロナ禍にあって、自宅での運動目的でフィットネス系ゲームの人気が高まっていますが、リングフィット アドベンチャーもその一つ。これを自宅で手軽にできる運動療法の手段として注目したのが、千葉大の研究です。
慢性腰痛症などは強い痛みを自覚する一方、病変などの原因を特定できないことが少なくありません。このため、内服や注射、リハビリなどの治療が行われるのですが、運動療法にも一定の効果が認められています。ただ、運動療法は継続するのが困難なケースも多く、手軽に実施できる新たな治療ツールが求められているとのこと。
そこで千葉大では、千葉大学医学部附属病院を受診した難治性腰痛の患者40名を対象に研究調査を実施。通常の内服治療に加えて、週1回40分間リングフィット アドベンチャーを実施する20名と、内服のみを行う20名のグループに分け、それぞれ腰痛や臀部痛、下肢の痺れ、痛みに対する自己効力感(痛みがあっても幸せな生活を実現できるという自信の強さに関する指標)などを比較しました。
その結果、リングフィット アドベンチャーを実施したグループでは、痛みの軽減や自己効力感について、実施前後で有意な差が認められたとのことです。
この結果について、単に運動療法で筋肉関節の柔軟性や可動域・血流改善による痛みの改善だけではなく、自ら汗を流してキャラクターを操作し、ゲームをクリアしていくといった主体的な達成感により、自己効力感が高まり、痛みの軽減につながった可能性があるとしています。
もちろん、痛みがある場合は、自己判断せずに医療機関を受診すべきです。ただ、その上で運動療法として自宅で手軽に実施できるフィットネスゲームが利用できるなら、通院にかかる医療費も削減でき、患者にとっては大きなメリットとなりそうです。
(Source:千葉大学。Engadget日本版より転載)
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