台湾の地下鉄の運営する桃園大衆捷運(桃園捷運)は12月30日、首都の台北市と桃園国際空港間の地下鉄で銀行カードによる非接触型決済を開始することを発表した。サービス開始は2020年1月16日。
非接触型決済は「タップアンドゴー」サービスと呼ばれ、VISA、Mastercard、Union Pay、JCBカード(JCBのみ6月から対応)などのクレジットカードはもちろん、Google Pay、Apple Pay、Samsung PayなどNFC決済が可能なスマートフォンも利用できる。
桃園捷運によると、台北〜桃園国際空港間に2017年に地下鉄が開業してから2年間の運行期間中に、Wi-FiネットワークとQRコードシステムを導入して運賃の支払いを合理化していたが、このたび空港MTR線21駅で非接触決済が利用可能になるという。桃園捷運のLiu Kun-I会長によると、2020年後半にはそのほかの電子決済を導入する予定とのこと。
このように世界的に非接触決済といえばNFC-A/Bによる決済が主流で、交通機関の導入も増えてきた。アジアで見ると、過去にはシンガポールでIC乗車カードにNFC-F(Felica)を導入したことがあったが、現在ではNFC-A/Bに移行。2019年4月には、桃園捷運と同様にシンガポールMRTにMastercardのコンタクトレス決済に対応している。一方、国内の公共交通基間では大阪メトロで顔認証/QRコードでの改札の実証実験などの動きもあるが、まだまだFelicaが主流だ。ほぼ国内専用規格になってしまったFelicaは、インバウンド需要を考えると万人に便利な機能ではない。国内でも各種NFCの読み取りに対応した改札機や決済端末の早期普及が望まれる。