さまざまな非営利活動の資金募集を助けるClassyが、Mithril Capital ManagementやSalesforce Venturesなどから1800万ドルを調達した。
サンディエゴに本拠を置くClassyは、資金募集活動のほかに、イベントの管理や、慈善など各種の社会事業団体の、寄付者とのコミュニケーションを助ける。そのSaaSの利用は有料だが、利用する団体は自分の目的に合わせてカスタマイズでき、キャンペーンをほんの数分で立ち上げることができる。
ファウンダのScot Chisholmによると、昨年合衆国の非営利団体が集めた3600億ドルのうち、オンラインで調達したものはわずかに10%だ。90%もの高い率が、オフラインのドタバタ劇で集められていることが、彼がClassyを始めた動機というか理由だ。
Chisholmは2006年にアメリカ癌協会(American Cancer Society)の資金募集を手伝ったのだが、組織内に資金募集活動を専門的に行う‘班’を作ってお金を集めてまわる当時の標準的なやり方にフラストレーションを感じ、自分独自のやり方で行こうと決意した。それは、FacebookとPayPalとEventbriteを組み合わせたようなサービスだった。
しかしそれはたちまち古めかしくなったので、ChisholmはCraigslistの広告部門にいたデベロッパを雇った(彼はのちにClassyの技術担当VPになった)。その彼にベーシックなアプリケーションを作ってもらい、2011年に三人の友人、Pat Walsh、Marshall Peden、Joe Callahanと共にClassyを立ち上げた。
その後Classyは、Oxfam(飢餓救済)、The World Food Program(食糧援助)、National Geographic(地理学普及)など1500あまりの社会事業に利用され、数百万ドルの資金を調達した。
“Classyがないころは、寄付をPayPalのフォームで行っていたが、それはまったく人間味がなくて機械的だった。その非人間的で機械的なイメージがあるため、多くの団体がオンラインへの移行をためらった”、とChisholmは語る。
非営利団体のサイトに個人が登場し、個人としてお話をするようにして、人間味を持たせ、かつ、寄付行為をできるかぎり単純にした。それによりClassyを利用する団体は、平均でそれまでの3倍以上の金額を集めることが、できるようになった。
一口の寄付の額は、全ユーザ平均で90ドルだ。そしてこれまでで最高は、昨年末に某水族館に篤志家から贈られた75000ドルだった。
今回のラウンドを担当したMithrilのAjay Royanは、こう語る:
非営利の金集めの古典的なやり方は、政治家の選挙戦とほとんど同じだ。統括委員会があり、地域の委員会があり、あちこちにオルグ役がいる。でも実は、世界中各地に極小だけど強力な関心共有グループがいて、彼らを表舞台に出すことによって活動は短時間でグローバルに広がる。そしてコネクションとコミュニティと透明性の要素が形成されるのだ。
たとえば退役軍人たちによる災害救助団体Team Rubiconは、2011年にClassyのユーザになる前には、1年の収入が50万ドル足らずだった。しかし今年の彼らは、最終的に200万ドルを超えそうなペースだ。しかも自前のデベロッパは一人も雇っていない。すべてClassyのホワイトレーベルSaaSからだ。
Classy自身には社員が80名いる。今回の資金は技術チーム15名を三倍の45名にし、サービスの供用を合衆国全域に広げるために使われる。
“社会事業や非営利事業が一般の産業のように第一級のテクノロジを利用できるようになるまでに、あまりにも長い時間を要した。彼らの事業がテクノロジの利用によって活動の実効性と効率を上げれば、世界中の社会問題をよりはやく解決できるだろう”、とChisholmは述べている。