味の素は3月31日、食品事業本部内にZ世代事業創造部を2021年4月1日付で新設すると発表した。Z世代(Gen-Z。1995~2009年生まれ)の価値観や真に求めているものを追求し、「食と健康の課題解決」のための価値提供を行う事業創出をグローバルに加速する。スタートアップや大学などと新たな価値を共創することで事業化を推進し、2021年度中にZ世代向け新製品または新サービスを上市する予定。
Z世代事業創造専任部署の設置は、食品業界では日本初という(同社調べ)。同部新設にあたり、Z世代の価値観に寄り添い、生活動線に立脚した事業検討を進めるため、新事業検討チームのリーダーに30代の若手基幹職、チームメンバーには社内公募により選出した20代の若手人材3名を起用。
これらメンバーにより、既存事業の枠組みに捉われることなく、Z世代視点・生活者視点で自由に発想し、新領域製品や新チャネルの開発、デジタル技術を活用した新ビジネスモデルなどの事業創出をスピーディーに行うことを目的とし、事業立案・事業開発・市場定着まで一貫して実施する。
また同部は、渋谷スクランブルスクエア15階の共創施設「SHIBUYA QWS」(渋谷キューズ)をベースとして活動。Z世代と繋がりの強いスポットを拠点に、スタートアップや大学などと新たな価値を共創することで事業化を推進し、2021年度中にZ世代向け新製品または新サービスを上市する予定。
同社によると、Z世代は、世界で約13億人と現在の世代別構成において大きな割合を占めているという。地球環境・社会貢献・サステナビリティ・多様性と個の尊重などに対する関心が高いことが特徴とされ、この先の時代の人々のWell-beingに向けた価値形成・波及を推進する上で象徴的な存在とした。
同社は「食と健康の課題解決企業」を目指しており、次世代の主流となるZ世代を、心と体の健康価値や社会価値向上に繋がる新たなフードスタイル・先進的な食マーケティングのビジネスモデルを築くベースとなる重要なターゲットとして位置づけているという。
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