実店舗で商品を展開したいメーカーやブランドとリアル店舗をマッチングする「SpaceEngine」。同サービスを展開するスペースエンジンは10月4日、ネットショップ作成サービスの「BASE」と連携したことを明かした。
今回の連携を通じてBASEユーザーが自ら店舗やポップアップショップを運営しなくともオフライン進出できるようにサポートをしていく計画だ。
5月のサービスローンチ時にも紹介した通り、SpaceEngineは自社商品を持つブランド(サプライヤー)に対して“簡単にオフライン展開”できる仕組みを提供するプロダクトだ。サプライヤーはサービス上に登録されている店舗から自分の商品を扱って欲しい店舗を探し、販売を申請。店舗側が承認した場合は実際に店頭で商品を売ってもらうことができる。
サプライヤーは申請時に「売りたい商品」や「個数」、「期間」などの条件を設定しているため、マッチング後は該当する商品を店舗に送るだけ。実際に商品が売れた際に35%が店舗の収益、15%がSpaceEngineの利用料となり、残りの50%がブランドの元に入る仕組みだ。
自社に合った商品を取り入れて売上を増やすチャレンジをしたい店舗側にとっても、従来のように展示会で商品を探し回るといった形でゼロから商品を探す手間がなくなる。SpaceEngineの場合は魅力的なブランドをお金をかけずに誘致できるだけでなく、料金も無料でリスクなく販売できるのも特徴だ。
スペースエンジン代表取締役の野口寛士氏によると現在は紀伊國屋書店、メガネスーパーなど大手チェーン店を始め「王道のアパレルや雑貨屋などの小売店から、これまで販売機能がなかったような美容室やネイルサロン、カフェ」など小規模なお店まで700店舗以上が参画。サプライヤーの数も3000近くまで増えてきているという。
前回取材した時から「BASEやminneなどのクリエーターの利用も多い」という話があったけれど、今回のBASEとの連携は今まで以上にクリエイターのオフライン進出をサポートしていくための取り組みと言える。
自分のショップで扱う商品を店頭でも売ってみたいというBASEユーザーは、同サービスのアカウントを利用してSpaceEngineにサインアップした場合、店頭売上に対するSpaceEngineへの手数料が常時5%オフになるとのことだ。
BASEでも以前から「SHIBUYA BASE」や「TENJIN BASE」などの常設店舗を通じてユーザーの実店舗出店をサポートしてきたが、BASEユーザーにとっては今回の連携で新しい選択肢が増えることにも繋がるだろう。
「インターネットで自身のブランドや商品を販売することはできるようになったが、オフライン、店頭で販売するハードルはまだまだ高い。個人や小さなチームから、地方の製造業、大企業の新規事業部にまで、誰でも簡単にオフライン進出できるサービスの構築を目指している」(野口氏)
SpaceEngineでは今回の連携を踏まえ、国内の他ECプラットフォームとの連携強化や店舗数の拡充に向けて力を入れていく方針だ。