商品棚をスキャンする在庫管理ロボ開発のSimbeが28億円を調達

サンフランシスコを拠点とするロボティクスのスタートアップであるSimbe RoboticsがシリーズAで2600万ドル(約28億円)を調達したと発表した。このラウンドはVenrockが主導し、Future Shape、Valo Ventures、Activant Capitalが参加した。Simbeは小売店の在庫管理の自動化を目指す企業のひとつだ。

Simbeは、今回の資金を人員の増強、新たな市場の開拓、既存のロボットの配備拡大に充てたいとしている。NestのTony Fadell(トニー・ファデル)氏、VenrockのDavid Pakman(ディヴィッド・パックマン)氏、Pathbreaker VentureのRyan Gembala(ライアン・ゲンバラ)氏がSimbeの役員になることも発表された。

Simbeの共同創業者でCEOのBrad Bogolea(ブラッド・ボゴレア)氏は、発表の中で次のように述べた。「以前からの投資家も新たな投資家も、資金だけにとどまらない支援をしてくれている。我々のビジネスのあらゆる面について貴重な知見を提供する支持者であり信頼できるアドバイザーだ。エクイティファイナンスのパートナーとソフトバンクロボティクスのチームは、データを通じて小売業を活性化するというSimbeのビジョンと深く協調している。我々は成長の重要な段階を迎えており、世界規模で小売業を変革し続けている我々にとって彼らの支援は価値のあるものだ」。

Simbeは商品棚をスキャンするロボットのTallyを2015年に公開した。ハードウェアベンチャーファンドのLemnosは、早い時期に同社に投資した。2019年4月、ウォルマートがSimbeのライバルでピッツバーグに拠点を置くBossa Nova Roboticsのロボットを試験導入すると発表した。その数日後に、米国スーパーマーケットチェーンのGiant Eagleが、一部のストアでTallyの試験導入を開始する計画を発表した。

ほかにSimbeのロボットを使っている小売業者には、スーパーマーケットチェーンのSchnuck Markets、スポーツ用品チェーンのDecathlon Sporting Goods、フランスの小売大手のGroupe Casinoなどがある。シリーズAに加え、ソフトバンクロボティクスとは製造規模を拡大するためにインベントリーファイナンス(在庫融資)契約も交わしている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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