食料品宅配スタートアップのGood Eggs(グッドエッグズ)が、新たに1億ドル(約106億ドル)の資金調達を行い、2021年夏か秋に南カリフォルニアでの事業開始を計画していると発表した。
Good Eggsのことをよく知る読者なら、この話の一部はすでに耳にしたことがあるかもしれない。このスタートアップは2018年、前回の資金調達ラウンドで5000万ドル(約52億8000万円)を調達した際、Bentley Hall(ベントレー・ホール)CEOが地理的拡大の計画についても言及していたからだ。
だが、Good Eggsはサンフランシスコのベイエリアに集中しながらも、成長の機会を十分に見出してきたように思われる。同社によると、過去1年間で収益は9桁(100億円以上)に伸び、従業員数は400人を超え、顧客ベースはほぼ倍増したという。
ホール氏はまた、2020年3月に自宅待避命令が発動する数日前、同社がオークランドにより大きな新しい倉庫をオープンしたことにも言及している。チームは新しい倉庫を運営し、食料品配達の需要の増加に対応しながら、その過程で労働者の安全を確保するのに多忙を極めた。
食料品の宅配市場はますます競争が激しくなっているが、Good Eggsは商品の品質と幅広さで際立っているとホール氏は主張する。同社の商品の70%は地産食材であり、大抵は収穫後48時間以内に配達される。
「食料品、ミールキット、料理やお酒を提供する業者はたくさんあります。私たちは特定の基準に基づき調達したそのすべてをお届けしています」と、ホール氏は語る。その結果、Good Eggsはその消費者の多くにとって、家庭における食品購入の65%から85%を占める「プライマリーソース」となっている。
2015年にロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズでの事業を停止し、その後すぐにホール氏がCEOに就任してから、同社にとって好転の兆しが現れていることも注目に値するだろう。ホール氏は、新しい市場への進出を急いでいるわけではないようだ。
「私は(南カリフォルニアを)1つの大きな地域としてではなく、いくつかの小地域の集まりとして考えています」と、ホール氏はいう。「LA地域、サンディエゴ北部、オレンジ郡などがあり、これらの地域を合計すると、ベイエリアの2~3つ分の規模になります。これは当社にとって、アドレス可能な市場が大幅に拡大することになります」。
今回の新たな資金調達は、Glade Brook Capital Partners(グレイド・ブルーク・キャピタル・パートナーズ)が主導しGV、Tao Invest(タオ・インベスト)、Finistere Ventures(フィニスター・ベンチャーズ)、Rich’s(リッチズ)のほか、以前からの投資家であるBenchmark Partners(ベンチマーク・パートナーズ)、Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)、S2G、DNS Capital(DNSキャピタル)、Obvious Ventures(オブヴィアス・ベンチャーズ)も参加。Glade BrookのJ.P. Van Arsdale(J.P.ヴァン・アルスデール)氏は同社の取締役会に加わっている。
「食料品市場では根本的な変化が進行しており、電子商取引やより高品質な商品とサービスへのシフトが加速しています」と、ヴァン・アルスデール氏は声明の中で述べている。「Good Eggsは、強力なユニットエコノミクスで急速な成長を遂げており、カテゴリーを定義するリーダーとなるための絶好の位置にいます。今後の成長と拡大に向けて、彼らのチームとパートナーを組めることに興奮しています」。
今回調達した資金によって、Good Eggsは地理的な拡大のみならず、新商品の追加を続け、eコマース体験を向上させる方法を見つけることができるようになると、ホール氏は述べている。
Good Eggsは今回の資金調達に加えて、Vineet Mehra(ヴィニート・メーラ)氏を最高成長顧客体験責任者として採用したことも発表した。メーラ氏は、Walgreens Boots Alliance(ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス)で最高マーケティング責任者兼最高顧客責任者だった人物で、それ以前にはAncestry(アンセストリー)でエグゼクティブバイスプレジデント兼グローバル最高マーケティング&収益責任者を務めていた。
カテゴリー:フードテック
タグ:Good Eggs、資金調達、食材宅配
画像クレジット:Good Eggs
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(文:Anthony Ha、翻訳:Hirokazu Kusakabe)