坂本龍一氏代表の森林保全団体がブロックチェーン活用クラウドファンディングで孤児のオランウータン支援

坂本龍一氏代表の森林保全団体がブロックチェーン活用クラウドファンディングで孤児のオランウータンを支援

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年11月29日~12月5日の情報から。

音楽家の坂本龍一氏が代表を務める森林保全団体more trees(モア・トゥリーズ)は12月1日、Freewillが運営する独自ブロックチェーン活用のクラウドファンディングサービス「SPIN」において、孤児のオランウータン支援プロジェクトを開始した

more treesは、インドネシアのBOS財団(Borneo Orangutan Survival Foundation)が保護している孤児のオランウータンが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、森に還すことができなくなったことで費用がかさんでいる状況を支援するプロジェクトをSPINにおいて開始した。

インドネシアでは、人間の経済活動や地球温暖化の影響でオランウータンの生息できる森が失われ、母親をなくした孤児となるオランウータンが増加。現地のBOS財団の保護施設には、孤児となったオランウータンが現在400頭も保護されている。保護中のオランウータンは、施設にて大人になるまでリハビリを続け、やがて森に還すことになっているが、コロナ禍でそれがかなわず飼育費用が1ヵ月に1000万円ほどがかかっているという。

more treesの支援プロジェクト「コロナで森に還れない孤児のオランウータンを支援」では、孤児となったオランウータンのジェラパットくんのストーリーを世界中に知ってもらうことで、森林保護や消費活動を見直すきっかけとなるよう支援活動を行っていく。

そのための手段として、独自のブロックチェーンを用いることで、寄付金の流れの見える化・寄付金の不正利用防止・透明性の担保を行っているクラウドファンディングサービス「SPIN」を利用し、BOS財団を支援先とする寄付金を募っていく。目標金額は、57万8800円、募集期間は2021年1月31日まで。

SPINは、システム開発ベンダーFreewillが開発・運営する、独自ブロックチェーンを用いたクラウドファンディングサービス。次世代に残すべき子ども、動物、大自然、芸術文化などを「才能」と定義し、それらを支援する社会貢献・SDGs達成型のプロジェクトの立ち上げを目的としている。「地球の才能を育むストーリーファンディング」とうたうSPINは、各プロジェクトの企画意図や「才能」を取りまく課題をストーリーとして届けることで、プロジェクト発起人と支援者をつないでいく。

システムにおいてSPINは、独自ブロックチェーンやスマートコントラクトを用いたプラットフォームにより、助成先や寄付金の流れを「見える化」し、支援者に情報を開示。不正利用の抑止できる点が大きな特徴となっている。日英翻訳機能を採用しており、ボーダーレスに世界中から支援を募ることが可能。NPO・NGO法人や企業のCSR・CSV活動におけるグローバルな資金調達も実現できる。

また、SPINでかかる手数料は9.6%(決済手数料3.6~4.5%、システム手数料4.1%~5%、コイン還元1%)としている。SPINはウォレット機能を持ち、「いいね」や「シェア」などのアクションを起こすことで付与される「トークン」や寄付金額に応じて還元される「コイン」の残高や履歴を確認できる。トークンやコインは、サービス内の追加機能利用の際に使用するほか、環境保護団体などの寄付にも利用できるとしている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:SDGs

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TechCrunch Japan

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