売れ残り食品の再販マーケットを提供するKarma、1200万ドルを調達

ストックホルムのスタートアップであるKarmaは、地元のレストランや食料品店に対し、売れ残り品を割引販売するためのマーケットプレイスを提供している。そのKarmaが、シリーズAにて1200万ドルの資金を調達した。

出資をリードしたのはスウェーデンの投資ファームであるKinnevikで、アメリカのベンチャーキャピタルであるBessemer Venture Partners、アプライアンス機器メーカーのElectrolux、および以前から出資を行なっていたe.venturesも参加している。今回の調達により、合計調達額は1800万ドルとなった。

Karmaは、Hjalmar Ståhlberg Nordegren、Ludvig Berling、Mattis LarssonおよびElsa Bernadotteらによって2015年末に設立された。そしてその翌年、レストランや小売店で売れ残った食品を、消費者に対して割引販売するためのマーケットプレイスを提供するアプリケーションをリリースした。

消費者として利用するには、iOSないしAndroid版アプリケーションで場所を登録するだけでいい。取り扱い店および取り扱い商品が表示されるようになる。欲しいものをみつけたらKarmaアプリケーションを利用して支払いを行い、閉店までに商品を受け取れば取り引きは完了だ。お気に入りの店舗を登録しておいて、そこで新たな商品が販売開始されると通知を受け取るようにすることもできる。

KarmaのCEOであるStåhlberg Nordegrenによれば、「生産された食品の3分の1は無駄になっています」とのこと。「レストランや小売店での売れ残りを販売できるようになれば、食品の無駄を大いに減らすことができるのです。私たちはアプリケーションを通じて直接に食品を購入して持ち帰ることができるようになるのです。売り手側の立場で考えれば、無駄を減らして売り上げを増やすことができます。また消費者側からすれば、おいしい食品をより安く購入することができるようになるわけです。そしてもちろんゴミを減らすことによって環境への負荷も減らすことができるわけです」。

地元であるスウェーデンでサービスを開始し、これまでに1500件以上のレストラン、小売店、ホテル、ベーカリーなどがKarmaを利用するようになっている。従来は廃棄されていた食品が販売されるようになり、これまでに35万人の利用者がKarma経由で商品を購入しているとのこと。Ruta Baga、Marcus Samuelsson’s Kitchen、およびTableなどの有名レストランや、Sodexo、Radisson、Scandic Hotelsなどの有名企業、および大手スーパー3社も、パートナーとしてKarmaを利用している。

2月からはイギリスでもサービスの提供を開始しており、すでにロンドンの400件以上のレストランがKarmaを利用しているとのこと。地元でよく知られるAubaine、Polpo、Caravan、K10、Taylor St Barista’s、Ned’s Noodle Bar、およびDetox Kitchenなどが名を連ねている。

Ståhlberg Nordegrenによれば、Karmaをよく利用するのは25歳から40歳までの、若いホワイトカラー層なのだとのこと。オフィス街で働き、帰りに夕食をピックアップして帰るというスタイルが目立つのだそうだ。もちろん学生や高齢者層の間でも、おいしい食品を割安で入手できるということで話題になっているようだ。

調達した資金は、スーパーマーケット向けのプロダクト開発およびヨーロッパを皮切りとする新市場の開拓のために利用する予定であるそうだ。従業員は、ストックホルムに35名の従業員を抱えているが、2020年中頃までには5ヵ国150名程度にまで拡大していくプランを持っているとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H

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TechCrunch Japan

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