大麻関連企業に融資を行うBespoke Financialが約8.7億円調達

大麻関連の金融会社であるBespoke Financial(ビスポーク・フィナンシャル)は、米国時間4月19日、シリーズA投資ラウンドで800万ドル(約8億7000万円)の資金を調達したと発表した。大麻関連企業に資金調達ソリューションを提供するために奮闘している同社は、今回の資金調達により、重要な投資家を新たに迎え入れることになった。

Bespoke Financialはダイレクト・レンディング会社であり、大麻を扱う企業にいくつかの融資ソリューションを提供している。Bespokeからの短期融資を受けることで、企業は信用を築くことができ、その後の融資や商品でより良い条件を提供できるようになる。

同社によると、融資の実行件数は飛躍的に伸びており、過去1年間で予測を25%上回るペースで推移しているとのこと。同社は2000を超える大麻ライセンス保有者に、1億2000万ドル(約130億円)の融資を提供しているが、これまでに債務不履行はゼロだという。

今回調達した資金を使って、Bespokeは新たな資金調達の仕組みを導入し、さまざまな販売チャネルにおける資金調達の選択肢を拡大することを計画している。

同社共同創業者でCEOのGeorge Mancheil(ジョージ・マンケイル)氏は、今回のラウンドを、会社にとって極めて重要な瞬間であり、Bespoke Financialの方向性と商品を承認する印であると述べている。今回のラウンドでは成長中の同社にとって重要なパートナーを複数得ることができたと、同氏はTechCrunchに語った。

今回の資金調達ラウンドは、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)のCasa Verde Capital(カサ・ベルデ・キャピタル)とSweat Equity Ventures(スウェット・エクイティ・ベンチャーズ)が共同で主導し、Ceres Group Holdings(セレス・グループ・ホールディングス)、Greenhouse Capital Partners(グリーンハウス・キャピタル・パートナーズ)、DoubleLine Capital(ダブルライン・キャピタル)の共同創業者で元社長のPhilip Barach(フィリップ・バラック)氏、ニューヨーク在住の投資家Robert Stavis(ロバート・スタビス)氏が参加した。

Sweat Equity Ventures(SEV)にとって、これが大麻関連企業への初めての投資となる。SEVは、LinkedIn(リンクトイン)の創業者であるReid Hoffman(リード・ホフマン)氏が出資して設立し、Dan Portillo(ダン・ポーティロ)氏がリーダーを務めている。同社は従来のベンチャーファンドとは異なる仕組みを持っており、創業者と協力してエンジニアリングやビジネスの分野で優れた人材を投資先企業に送り込んでいる。単に小切手を切るのでなく、SEVはこれらのサービスを提供することで、企業の株を受け取る。

「今回は当社にとって初めての大麻産業への投資であり、ますます多くの州で大麻の使用が合法化され、連邦政府も全国的な合法化を検討している中、Bespokeと提携できることをうれしく思います。今回の提携により、Bespoke社の金融および大麻に関する知見と、当社チームの革新的なハイテク企業の規模拡張に関する専門知識が融合し、大麻企業が合理的な資金調達にアクセスできるようになると同時に、投資家にとっても透明性の向上とリスクの監視が可能になります」と、Sweat Equity Venturesのマネージングパートナーであるダン・ポーティロ氏は声明の中で述べている。

Casa Verde CapitalのマネージングパートナーであるKaran Wadhera(カラン・ワドヘラ)氏は、Bespoke Financialが成長を続ける業界の真のニーズに対応していると述べている。Casa Verde Capitalは以前、2019年の700万ドル(約7億6000万円)のラウンドを含め、Bespoke Capitalに投資したことがある。

BespokeのCEOであるマンケイル氏はTechCrunchに対し、同社は単なる貸し手ではなく、大麻業界の真のパートナーとして活動できるような、現代的な融資会社になりたいと考えていると語った。

今回の800万ドルの資金調達を含め、Bespoke Financialはこれまでに2800万ドル(約30億円)を調達した。2019年に設立された同社は、現時点で12名の社員を抱えている。

関連記事:ニューヨーク州が娯楽用大麻の合法化へ前進

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Bespoke Financialカンナビス資金調達

画像クレジット:Getty Images under a Getty Images license.

原文へ

(文:Matt Burns、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。