スマホで情報がすぐ手に入るようになったが、実際に手に触れたり、体験したりすることで楽しめるものも多いだろう。10代や20代女子向けにファッションやメイク情報などを発信するC Channelも、オフラインで「体験」を提供する場を用意するようだ。C Channelは4月1日、2日に東京国際フォーラムで「SUPER C CHANNEL」を開催する。
ご存知の方も多いかと思うが、C ChannelはLINE元代表取締役の森川亮氏が立ち上げた動画ファッションマガジンだ。C Channelの動画はアプリの他に、FacebookやLINE、Instagramなどでも配信する分散型メディアの形を取っている。現在C Channelは、台湾、タイ、インドネシア、韓国、中国にも進出し、月間の動画視聴者数は約2億5000人、月間再生数は5億回に上るという。
「SUPER C CHANNEL」は、C Channelで流行ったコンテンツをユーザーが実際に体験できるイベントと森川氏は説明する。イベントでは、C Channelで動画を配信している個人ユーザーの「クリッパー」やタレントと直接会えたり、ヘアメイクを体験したり、恋愛講座を受けたり、企業の最新商品などを試したりできる体験型のコンテンツを多数用意している。
イベントに先駆け、C Channelのアプリにはイベントでも使用できるポイント機能を追加する予定と森川氏は話す。ユーザーはブースを訪れたりすることでポイントを集めることができ、そのポイントを他のコンテンツを視聴したり、体験したりするのに利用できる。例えば、ポイントで視聴できるイケメン動画やオリジナルドラマなどを準備しているそうだ。また、C Channelからスターとなる人材を発掘し、応援できるコンテンツも用意し、4月のイベントではそうしたC Channel発のスターが登場するステージなども企画しているという。
またC Channelは、企業にとってもオンラインとオフラインの双方で、10代や20代女子との接点になるプラットフォームを目指すという。これまで多くの企業は、10代や20代女子にリーチするのにテレビや雑誌広告を使用してきたが、C Channelではこのデモグラフィックに向けた的確なターゲティングが可能という。C Channelでは企業に動画広告とコマースの商品を提供しているが、そのどちらも順調に伸びていると森川氏は説明する。C Channelの動画広告は、YouTubeのように見たい動画の前に広告が流れるというのではなく、広告自体をコンテンツとして楽しめるため回遊率が高く、ブランドリフトの効果があるという。すでに50社近くの動画広告を手がけたそうだ。また、昨年末から「ショッピング」の専用カテゴリー内で商品を動画で紹介し、購入から決済までがアプリ内で完結するコマースの仕組みを取り入れた。このコマースも、事業の柱として確立しつつあるという。
イベントでは企業と協力し、ブースやワークショップを用意すると森川氏は話す。企業は出展することで10代、20代女子に商品を訴求したり、テストマーケティングを行って意見を取り入れることができる。「これまではアナログからデジタルに行くという流れでしたが、今は、デジタルで先に知って、そこからアナログな場で、より深く浸透するという流れに変わってきています」と森川氏は話す。イベントはそうしたユーザーがアナログに企業のサービスやプロダクトを「体験」できる場にしたい考えだ。
イベントの様子はC Channelでも配信する。「C Channelの動画を見て、イベントで実際に体験し、それをまたC Channelで配信して楽しむという流れが生まれるよう準備しています」と森川氏は話す。C Channelはオンラインにとどまらず、オフラインでも新たなトレンドやムーブメントの発信源となることを目指すと森川氏は話している。