教育用ロボットは、今年のCESを短時間見ただけでも、すでに目立つトレンドのひとつだ。ぼくがこれまで見た教育ロボットのブースの数は数ダースにもなるが、しかもそれはまだ、開場からわずか2時間ぐらいのあいだだ。そしてその中でいちばんおもしろいと思ったもののひとつが、ハーバード大学のスピンアウトWyss Labが作ったRootだ。
彼らのブースでは、発売可能な最終製品に触(さわ)れる。その消費者向けに完成したロボットは、これまでの同社のプロトタイプにやや手を加えたもので、たとえば、小さなホワイトボードイレーサー(白板消し)がロボットの底についている(下図)。
この、Roombaを小さくしたようなロボットの上部にはUSB-Cのポートがあって、さまざまなアクセサリを挿入できる。ただしアクセサリ類は、今年の第二四半期にRootが発売されてからほぼ1か月後に出る。最初の二つのアクセサリは、ブルドーザーと“ビルディングブロックトレイ”。そのあたりは、ややLEGOふうだ。このポートがあるおかげで、さまざまなデコレーションも可能だ。カメラのような実用アクセサリも、いずれ出るだろう。
現在は、199ドルの予約販売のみ。マーカーを中央に差し込むと、ロボットがお絵かきをする。折りたたみ式のホワイトボードもついているが、でもこのロボットには磁石があるので、本物のホワイトボードなら、上下方向にも動いて絵や文字などを描ける。
今や、子どもがプログラミングをおぼえるためのロボット製品がとても多いから、このRootについても疑念は残る。楽しいおもちゃと、本当に役に立つ教育ツールとのあいだに横たわる溝を、どうやって飛び越えるのか。Rootは独自のプログラミング言語を使うだけに、疑念は簡単には晴れない。
でもCEOのZee Dubrovskyによると、いずれSwiftやPython, そしてJavaScriptを統合するから、そうしたら、Rootから本格的なプログラミングへの移行も、スムースにできるようになる、というのだ。