日本全国に料理と飲み物を1箱にしたフードボックスをお届けする「nonpi foodbox」を展開するノンピは3月3日、総額3.4億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、テラスカイベンチャーズ、みずほキャピタル、静岡キャピタル、CRGホールディングス、ダブルシャープ・パートナーズ、MOVER&COMPANYなど、累計調達額は5.5億円となる。調達した資金は、新事業「nonpi A.R.U.」開始に伴うプロダクト開発および採用・組織体制の強化、キッチンレスの社内カフェテリア運営「nonpi LUNCH」、コミュニケーションフードデリバリー「nonpi foodbox」のサービス強化にあてる予定だ。
トップシェフが手掛けるプレミアムフローズンミール定期配送サービス「nonpi A.R.U.」
新事業「nonpi A.R.U.」は、ミシュラン星付きレストラン「Jean-Georges本店」出身の米澤文雄氏など、トップシェフが手掛けるプレミアムフローズンミール定期配送サービス。今回は、一般販売が開始される2022年6月に先駆けて、応援購入サービス「Makuake」において同サービスの利用者を3月3日から募集する。
またMakuakeでのプロジェクトは、ノンピにとって初めての挑戦という。これに合わせ、フローズンミールで絶対再現したいと考えていた米澤シェフによる3食構成セットを開発した。米澤シェフの料理は、スパイスをたくみに使い食材の良さを引き出し完成させるというもので、冷凍での再現はとても難しいそうだ。もし実現できれば従来のの冷凍食にはなかった新たな食を提供できるとして挑戦した。
米澤シェフが手がける3食構成のセット
・プラントベースハンバーグ 風味豊かなフレッシュトマトソースで
・赤魚のグリル コーンチャウダー仕立て
・チキングリル レッドカレー
質が高く環境や健康にも配慮したフローズンミール
ノンピは、今回のミッションとして、「フローズンミールの無限の可能性を探求し、最高のジャパンクオリティを世界に届ける」を挙げている。
例えば、フランスでは冷凍食品としてピカールが著名だが、同国のような平均所得額が高い国ほどフローズンミールが受け入れられているそうだ。今後、所得が向上していくエリアでもフローズンミールは受け入れられていくだろうと、今回のプロジェクトが始まった。今回は対象を洋食に絞ったものの、今後はプレミアムフローズンミールとして、特に和食に注力していきたいという。
シェフのこだわりを「冷凍で実現」という発想で挑んだメニュー開発
メニュー開発では、「冷凍でできるもの」を作るのではなく、最高のシェフたちのこだわりを「冷凍で実現する」という発想で挑んだ。イタリアン、アジア、和食など、今までの冷凍食品ではあまりなかった、レストランの味を常に更新していくことで飽きさせない点に留意した。マイナス1度からマイナス5度の間が、食品の劣化が最も進む温度帯といわれているが、この時間が短くなるよう急速冷凍技術を採用。また、1つ1つの食材を冷凍・解凍し、食材の性質を検査。再現性の高い食事を凍らせ、そのままレンジで温めるだけで冷凍前の状態に戻せるという。
さらに、大豆ミートなどプラントベース食材を利用した料理を採り入れたり、サトウキビなど環境に配慮した素材を使用したりと、サステナビリティも意識。すべてのメニューは500Kcal以下、保存料・合成着色料不使用と、健康にも配慮している。
1人1人の生活リズムに合わせて発送可能
今回のプレミアムフローズンミールは定期配送サービスとなっており、1人1人の生活リズムに合わせて発送可能。テレワーク中のランチに手軽においしい食事をとりたい1人暮らしの人や、共働きで食事の準備が難しいけれどおいしく健康的な夕食を用意したい子育て世代などをペルソナとして想定しているという。同プロジェクトを担当したギヨン氏は、都内でプロダクトマネージャーとして働いている2児の母。平日はあわただしく、なかなか料理に時間をかけられないため、その分おいしい食事を子供たちに食べてほしいと、同企画を開始したという。
なお筆者は、実際に3食セットを試食させてもらったところ、まさに開けてレンジで温めるだけでおいしい食事が楽しめる一品だった。色の豊かさにも配慮をしたとのことで、赤・黄・緑といった食欲をそそる色が各プレートごとにちりばめられている。何より、特にタンパク質系の食品の再現度が高く、これまでの冷凍食品では得難かったジューシーな肉感、そして作りたてのようなソースの旨味が特徴的に感じた。レストランの食事のような味わいを手軽に楽しみたいという方におすすめしたい。