NASAは火星到達を真剣に考えている。しかも短期滞在ではない。このほど2年にわたり6つの会社に6500万ドルを投入する発表をしたばかりだ。あの赤い惑星へ向かう途中そしてその惑星の表面上で使用できる、宇宙向け居住施設の開発とテストが目的だ。
これは、NASAの Advanced Exploration Systems(民間の研究を宇宙探索のテクノロジーに転用するためのファンド)主導のもとに遂行されている、NEXTStep(NeXTSTEP OSと混同してはならない)パートナーシッププログラムの一部である。
NEXTStepによる昨年の契約のテーマは様々なものだったが、今年の契約のテーマは皆同じである、即ち「地球からの補給なしで独立して数カ月から数年の間、人間が生活し働くことのできる深宇宙用居住設備」。ここで想定されているのは宇宙船である ‐ それも巨大な。
金額も巨大だ、昨年の契約ではおそらく合計1500万ドルが10の企業に振り分けられたが、今年は6500万ドルが6つの企業に振り分けられる。言うまでもないが、遥かに巨額の投資である。
こららの幸運な企業はすべて、深宇宙居住の問題に対し少しずつ異なるアプローチをとっている。
Bigelowは既にお馴染みの名前かもしれない:Bigelow Expandable Activity Module(BEAM)は最近、国際宇宙ステーションに接続され、現在テストを受けている最中である 。これから同社はその20倍の大きさ(現行の16に対し330立方フィート)の、Expandable Bigelow Advanced Station Enhancement、別名XBASEを開発する計画を立てている。モジュールをしっかりと折り畳み、後に展開することができるという特長がある、しかしBEAM配備時に起きたトラブルは、課題も多いことを意味している。もちろん、それこそがテストが必要な理由である。
Lockheed Martinは高品質な宇宙機材を無駄にはしたくないと考えている。彼らの計画は、スペースシャトルによって運ばれる貨物モジュールを、居住可能な多目的環境へと転用することだ。アイデアの基本は、実績のある機材を将来の開発の基礎として利用することである。ちょうどモジュールとオリオン宇宙船との間でデータや乗組員を移動させるように。
リサイクルに熱心なもう1つ業者はNanoRacksである。同社のISS外実験プラットフォームは昨日運用が開始されたばかりである。NanoRacksはかなりクレイジーなアイデアを暖めている:ロケットの最終段にある大きな燃料タンクを、居住空間に転用しようというのである。同社は、Space Systems LoralならびにUnited Launch Allianceと共に、これが実現可能なクレイジーなのか、あるいは単なるクレイジーなのかを確かめようとしているところだ。
Sierra Nevada(正確にはその子会社のSpace Systems)の計画はおそらく1番野心的なものだ。4回の以上の商業打ち上げで、 ロケット推進装置、拡張可能な環境、そして生活サポートを付け加えて、同社のDream Chaser貨物モジュールの1つの上に構築を狙っているのだ。段階的にそれを進めることは、良いリスク管理を意味している。
BoeingとOrbital ATKはあまり詳細を発表していない。前者はただ広範なテストのためのフルスケールプロトタイプを作成中であるとし、後者はそのCygnus宇宙船を目的のために改造中であると言うばかりである。
もちろん、すべてはまだ始まったばかりだ。そしてとりわけこれらのプロジェクトは、実際に火星やその彼方へ私たちが送り出すものを創り出すわけではないが、可能性の追求と潜在的なリスク発見の任を課せられている。これらの企業によって調査されるテクノロジーは、まずは地上で、次に静止軌道上で、そして最終的には月と地球間で、その性能を証明しなければならない ‐ 長期にわたるミッションのためのハードウェアの「信頼できる基礎」となるために。
NASAはそれぞれのプロジェクトが幾ら受け取るかの詳細を発表していないし、正確なタイムラインや成果物についての発表もまだである ‐ 最終成果は24ヶ月後に現れるという契約ではあるにせよ。現在NASAに対し詳細を問い合わせ中である、もし何らかの回答があればこの記事を更新する。
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(翻訳:Sako)