MITの物理学者チームはミューオン探知機を開発し100ドルで販売し始めた。テレビのリモコンみたいに見える装置を使って誰でも宇宙から飛来するミューオンでさまざまな観測をすることができる。高エネルギー粒子が宇宙線となって大気に衝突すると、さらに二次宇宙線が放射される。そのひとつがミューオンだ。CosmicWatchというデバイスでこの宇宙線を観測できる。
デバイスの開発者、Spencer Axaniによれば、ミューオンはいわば「霧雨のように地上に降ってくる」のだという。Axaniと同じMITのJanet Conrad、ポーランドのワルシャワにある国立原子力研究センターに勤務するKatarzyna FrankiewiczとPaweł Przewłockiのチームがこのミューオン探知機を開発した。MITのサイトにはDIYで探知機を利用するプランがある。プログラムのソースはGithubからダウンロードできる。デバイスはArduino Nanoとシリコンチップの光増幅器を利用して「シンチレーター中を通過する粒子のシンチレーション発光を検出する」のだそうだ。
Axaniはこのデバイスを大気観測用の気球に取り付けたり、学生チームにデバイスを持たせてボストンの地下鉄で観測させたりした。それによると場所によって観測されるミューオンのカウントは劇的に変化するという。チームはこのデバイスをロケットで高空に打ち上げることも計画している。
「海抜ゼロでは2秒に1回程度のカウントだ。しかし巡航高度の航空機内では50回程度に増える。たいへんな増加だ。カウント数から飛行機の高度を逆算することもできる」とAxaniは語った。
ユーザーは探知機をあちこち動かしてカウント数の変化を調べることでこの壁の中の様子を推定することもできる。
Axaniによれば「この探知機で上の階がどうなっているのか地図を作ってみたい。そのうちやってみるつもりだ」とのこと。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)