小松菜栽培ロボ開発のレグミンがインキュベイトファンドから1億円を調達

レグミンは1月22日、インキュベイトファンドを引き受け先とする1億円の第三者割当増資を実施した。レグミンは、自律走行型ロボットを活用して農業の効率化を目指すスタートアップ。

レグミンで代表取締役を務める成勢卓裕氏(写真左から2番目)と野毛慶弘氏(写真左から3番目)、インキュベイトファンドの代表パートナーを務める赤浦 徹氏(写真右から2番目)

農業ロボットの開発および、AIを活用した生産者向け経営プラットフォームを提供しており、第1弾として小松菜の栽培コストを75%カットすることを目標とした、葉物野菜の種まきから農薬・肥料の散布、収穫までを全自動化するロボットを開発。ロボットによる野菜や障害物位置の自動認識やAI画像解析による農作物の成長状況の把握などによって、農業機械費および人件費の削減に貢献することを目指しているという。そのほか遊休農地の「調達」および、スーパーなどへの「流通・販売」までを一貫して担うことで、生産・流通の両課程の効率化を実現。日本の農業は販売農地が18年前対比で50%減少しているなど深刻な労働力不足に陥っていることから、同社はロボットを活用して日本の農業の持続的な発展に取り組んでいるという。

小松菜などの葉物野菜の収穫を効率化するロボットを開発するレグミン

レグミンの代表取締役を務める成勢卓裕氏は「『日本の美味しい野菜を次の世代にも残したい』という想いで農業界の抱える課題にチャレンジしたいと起業いたしました。若手就農者を増やし、テクノロジーを活用する事で日本の素晴らしい農業を次の世代に、更には世界中に広めていきたいと考えております」。同じく代表取締役を務める野毛慶弘氏は「私は祖父母共に農家の家系で幼少期より農業の手伝いをして過ごしました。静岡銀行で農業関連企業を複数支援した後、退職後は日本中(九州、四国、関東、東海)の農地を巡りました。その後、農業に従事すると同時に地場優良スーパーの青 果部門で働き農業に関する知識を深めました。日本中の農地を巡って洗い出した課題や農業従事や青果部門での勤務による知識を踏まえ、日本の農業をより良くするために起業しました。」とコメントしている。

第三者割当増資の引き受け先であるインキュベイトファンドは、シードスタートアップへの投資に特化した独立系ベンチャーキャピタル。代表パートナーである赤浦 徹氏は「野毛さん、成勢さんの農業にかける想いと人柄に惹かれ、ビジネスモデルの設計からご一緒し、投資させていただきまし た。レグミン社の事業は後継者不足や耕作放棄地の増加など、日本の農業が直面する問題を解決する社会的意義の大き な事業になると考えており、共に事業成長に取り組んでまいります」とコメントしている。

野菜の収穫といえば、TechCrunch Tokyo 2018のスタートアップバトルのファイナリストであるinahoが開発している、アスパラガス、きゅうり、ピーマン、トマト、ナスなどに対応したロボットもある。人工知能とロボットで日本の農業の深刻な問題を解決するスタートアップの動向については、TechCrunchとしても継続して追いかけていきたい。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。