Facebookとは逆のビジネスモデル、つまりユーザデータを利用する広告には依存しないで有料機能を収益源にする、と約束する新しいソーシャルネットワークが3月にローンチした。そのElloは、やがてあとかたもなく人びとの忘却の底に沈んでしまったが、昨日(きのう)〜一昨日(おととい)あたりから急にこのサイトが爆発的に賑やかになった。ここは独自の機能など何もない、ごくベーシックなソーシャルネットワークだ。一体、何が起きたのか? それには、いろんな要因がある。
まずそれは、本名と‘ペルソナ’名の両方を持つLGBTユーザに対する、Facebookの厳しい態度だろう。Facebookが、本名でなく芸名で登録しているおかま芸人のアカウントを無効にしてから、ElloにはLGBTのコミュニティが集まるようになった。ミュージシャンも一般に本名ではなく舞台名で世の中に知られているから、Facebookを非難している。
ドラァグクイーンの大スターRu Paulが、この件をツイートしたからか?
誰も真相を知らないが、でも、親ぐらいしか知らない本名ではなく、一種の愛称名で友だちなどに呼ばれている人たちは、この記事を読んだあとに、招待制オンリーのElloに招待されるための方法を、きっとあちこちに尋ね回るだろう。
ElloはTwitterと同じく、本名は要請されない。
ただしこのネットワークはFacebookのような排除の仕組みがないから、誰でも会員になって何でも言える、という欠点(?)がある。プライバシーを厳しく維持することは、不可能だ。ただしElloが最近ユーザに送ったメールによると、今後は悪質なユーザを取り締まるそうだ。
これまで、Diasporaをはじめ、Facebookよりも良いと称するSNSが、いくつも、現れては消えていった。Google+のように、消えないけど低迷しているSNSもある。
Elloは、今後自然に定着していくのだろうか。Diasporaは、たしかにちょっとギークすぎたし、登場のタイミングが早すぎた。
今日(米国時間9/25)、Elloの協同ファウンダPaul Budnitzは、今後も“広告なしでポルノOK”を続ける、と述べた。
まともなVCは寄り付かないかもしれないが、それがどうした。人が集まれば、それで十分じゃないか。
kidrobotのファウンダでもあったBudnitzは、Elloの目標は“シンプルでビューティフルで広告のないソーシャルネットワークだ”、と言ってる。
Elloは最初、7名のアーチストとプログラマのグループだけが利用する非公開のネットワークだったが、立ち上げから1年後に改装して、招待制のサイトとして一般公開した。
彼によると、今ではユーザ数が3〜4日ごとに倍増しているそうだ。
Budnitzが言うには、“今われわれが経験している大きなにぎわいの原因は、Elloのシンプルでエレガントなインタフェイスと、広告がないことの魅力だ。広告がないと、ユーザのためだけの機能を自由に設計できる。広告主に気兼ねする必要がない。データも売らないし、ユーザセッションの追跡調査を、ユーザがわざわざオプトアウトしなければやる、なんてこともない”。今後もデザイナーやアーチストやクリエイターを主なターゲットとし、ネイティブのモバイルアプリは“いずれそのうちに”だと(Web中心主義)。
今のところ、将来性についてはなんとも言えないが、短期間にユーザが急増したことは、きっと何かを意味しているのだ。でもFacebookやTwitterと同じ土俵に立とうとしたら、負けは必至だろう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))