急成長・高インパクト企業に資金を提供するベルリンのRemagineがシードで約25億円調達

「インパクト」のひねりを加えたバンキングサービスを急成長企業に提供する資金調達プラットフォームRemagineは、シードラウンドで2000万ユーロ(2400万ドル、約25億円)を調達した。ベルリンを拠点とするこのスタートアップはステルスモードで活動してきたが、以前のブランド名「Get Conscious Growth」の下、すでに20社のクライアントを有する。同社の投資家には、元Google PaymentのグローバルヘッドであるJonathan Weiner(ジョナサン・ウェイナー)氏や、元VenmoのCOOであるMichael Vaughn(マイケル・ヴォーン)氏が含まれている。Remagineのリード投資家は不明だが、Techcrunchはそれが主にデットファイナンスで構成されていると理解している。

このフィンテックは、急成長企業や社会的インパクトに導かれる企業に収益ベースの資金調達を提供することに特化している。これは、エクイティやデット(融資)商品よりも創業者にとってフレンドリーな傾向があり、企業のコントロールを保持しながら迅速に資金を確保することができる。Remagineは今後数ヶ月のうちにドイツを拠点にビジネスアカウントを展開し、ヨーロッパ全域への拡大を計画している。

ここしばらくの間、フィンテックの流行は「ネオ」や「チャレンジャー」バンクだったが、新たなタイプ、金融プラットフォームが現れ始めている。これらはバンキングサービスを提供するだけでなく、新規事業を対象とした追加機能も提供している。もう一つの例はニューヨークのRhoで、最近1500万ドル(約15億5000万円)を調達した

Remagineのいう「ひねり」は、「持続可能でインパクトの強い」ビジネスモデルのもと、「ポジティブな社会的・環境的影響」をもたらす可能性のある企業に狙いを定めている点だ。
Remagine自身も、インパクト主導のイニシアチブにコミットしていると言い、同社の利益の10%を(社会的・環境的)インパクトのある活動に寄付する予定だという。

同社はJulia M. Profeta Johansson(ユリア・M・プロフェタ・ヨハンソン)氏とSebastian Dienst(セバスチャン・ディエンスト)氏によって設立された。共同CEOのディエンスト氏は声明の中でこう述べている。「私たちは、資本とテクノロジーが善のための力になり得ると信じています。ともに使うことにより、未来を形作る強力なツールとなります。今の課題は、人々と地球を利益と協調させる方法で未来を形成することです」。また、「私たちは、大小を問わずすべてのビジネスが、より持続可能でインパクトのあるものになり得ると信じています。Remagineは、その実現を支援するために設立されました」とも。

ヨハンソン氏は次のように付け加えた。「すでに多くの企業に資金を提供してきましたが、今回の資金調達により、より多くのスタートアップを支援することが可能になります。この度の口座とカードの発売により、チームを成長させ、製品にさらに投資し、お金とビジネスが善のための力となる世界の創造に貢献できることを楽しみにしています」。

ウェイナー氏は次のように述べている。「持続可能性とインパクトは、過去10年間で企業にとってますます重要性を増しており、今日では、CEOの5分の4近くが事業戦略を社会的・環境的な目標と協調させることを計画しているという調査結果が出ています。Remagineのミッションとビジネスモデルは、創業者が収益とインパクトの両方を考慮することを可能にします。これがファイナンシングの未来であり、その一翼を担えることを嬉しく思います」。

Remagineの製品には、チームカード(経費管理を改善するための、チームメンバーのための無制限の別々のカード)、マルチIBAN、アナリティクス、ゼロマイナス金利、無料口座などが含まれる。競合他社にはFinomやPentaなどがあるが、これらはスタートアップよりも中小企業をターゲットにしている傾向がある。

関連記事:経費精算を効率化する法人クレジットカードプラットフォームのMossが約26億円調達

カテゴリー:フィンテック
タグ:ドイツ 資金調達

[原文へ]

(翻訳:Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。