ロボットと人類が戦う時代になっても、ロボットに向けて何かを投げつけるようなことはやめた方が良いかもしれない。
ロボットに何かを投げつけるのは、攻撃として機能しないのだ。少なくとも今後、そうした攻撃でダメージを与えることはできなくなる。
それというのも、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究者が、超高速で動作するロボットアームを開発しているからだ。物体の形や軌道を1秒間に何百回も計算し、自ら蓄えたナレッジベースと連携して動作する。この仕組みを利用して、投げられた物体をキャッチすることができる。
ボール状のものはもちろん、ハンマーのような非対称な形のものでも対応できる。
キャッチする物体について学習して、形状や軌道の計算が行えるようになっている。たとえば空のペットボトルと、少し水を入れたペットボトルの軌道の違いなどにも、学習によって対応するわけだ。テニスラケットのように、特定の部分を掴まないとうまくキャッチできないものについても、やはり学習で対応するようになっている。
野球をプレイできるようになるのはまだまだ先の話だ。しかし、小さいながらも大きな進化の道をたどり始めたということができるだろう。
こうした技術の応用可能性にはどんなことが考えられるだろうか。もちろん、水の入ったボトルをキャッチできるというのは、家事にも役立つことがあるだろう。しかし研究者たちは、たとえば人工衛星や宇宙ステーションでの利用も視野に入れているのだとのこと。つまり宇宙空間を漂うデブリ(宇宙ゴミ)を回収したり、あるいは遠くに押しやったりするのに利用できる可能性があるとのことだ(「ゼロ・グラビティ2」を考えていた人にとっては不幸な話かもしれない)。
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(翻訳:Maeda, H)