改造ハッカーたちが、NES Classic Editionを万能レトロゲームマシンに改造中

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もしこの前のホリディシーズンで運良くNES(米国版ファミコン) Classic Editionを手に入れることができていたなら、(私同様に)そのエミュレーションの質の高さに、きっと感心していたことだろう。これでもう少し沢山ゲームが載っていたら、あるいはSNES(米国版スーパーファミコン)版が手に入るなら本当に良いのに。実は、その夢が叶おうとしている。まあ、ある意味ではということではあるが、ともあれ。

ハッカーたちがこの小さなコンソールのメモリを書き換える方法を発見してから、レトロゲームの勇敢なファンたちがその限界をテストし続けてきた。まずいくつかのゲームを追加し、そしてその数が数百に増え、今や他のコンソールのゲームも追加されるようになって来ている。

これは主に、”Cluster”のハンドルネームを持つロシアの開発者、Alexey Avdyukhinの仕事だ。彼は、コンソールのメモリを書き換えるプロセスを、文鎮化(フリーズして復活しなくなること)を避けながら簡略化するツール、Hakchi2を開発した。その「文鎮化を避けながら」という部分が重要だ。

しかし、元々は注意深い操作を必要としたハッキングの産物だったアプリは、はるかに使いやすいものとなり、さらには拡張さえ可能になっている。最初にClusterがGitHub上で発表したのは、RetroArchという名のマルチコンソールエミュレーターだ。これは同じプロジェクトで働く他の開発者MadMonkeyによって移植されたものである。

それは自動的にサポートされていないNESゲームを検出し、ディフォルトのエミュレーターに代わってそれらを立ち上げます。メニューの表示、状態のセーブなどは、普通に動作します。またそれは(もちろんクラシックコントローラを使って)SNES、Genesis(米国版メガドライブ)、GBA、そしてNintendo 64をエミュレートすることができます。N64とGenesisのゲームをNESの上でプレイできるのは奇妙な気がするという意見には同意します。それが、それらをオプションでダウンロード可能な拡張として用意した理由です。

人びとはコンソールのルック・アンド・フィールを失うことなく、既に複数のシステムの数十または数百のゲームを自分のデバイスに取り込んでいる。その様子はこのDan the Manによるデモビデオで見ることができる。

あなたが慌てて駆け寄って、狂ったようにNES Classic Editionの内部を下手に弄り始める前に一言。このプロセスはまだ気軽にできるようなものではないし、明快に合法的とは言えないものだということに注意して欲しい。任天堂は、海賊版ROMを使おうとして回復不可能な損傷を与えた場合には何の面倒も見てはくれない。そしてともかくこのコンソールに対する数多くのゲームはまだテストされていないし、おそらくは動作しない場合もあるだろう。

最善の策は — 少なくとも私はそうしているが — 様子を眺めながら待つことだ。これは1ヶ月でツギハギから立派に動作するソフトウェアに育って来た、近いうちには誰でも扱えるようになるかもしれない。ところで、既に組み込みの30個のゲームはコンプリートしただろうか?本当に?Ghosts ‘n Goblinsも? 嘘はいけないな。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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