アップル製品の分解で有名なiFixitは、発売されたばかりの第6世代iPadを分解したレポートを発表しました。新しいiPadは前世代とほぼ同じ構造やパーツを踏襲しながら、A10 Fusionプロセッサの搭載やApple Pencilの使用を可能とするコントロールチップの追加を確認できたとのこと。
さらにiFixitは、教育現場における耐久性や修復のしやすさを他社製品と比較して検討。内部全体に接着剤が使用されているなどの事情から、「Repairbility Score(修理難易度スコア。高いほど修理しやすい)」は10点満点中2点と辛めの評価が付けられています。
新しいiPadを丸裸にする分解が進むうち、公式に発表されてなかった内部仕様が次々と明らかに。メモリは2GBでTouch IDチップは「NXP 8461A1」が搭載、バッテリー容量は8827mAhで、いずれも前モデルから据え置きです。
アップグレードが確認できたのはA10 Fusionプロセッサと、Apple PencilサポートのためのBroadcomのタッチスクリーンコントローラ搭載の2点。うち後者は10.5インチおよび12.9インチiPad Proに搭載されているものと同じで、この部分のみが「Pro」グレードとされています。
一方、新しいiPadは教育現場での使用がアピールされているものの、防水性能なし、充電ポートは交換できず、内部全体に接着剤を使用しているため部品は交換しにくい……ということで「修復の悪夢」が増えたとのこと。他社タブレットが10点を取っている修理難易度スコアでわずか2点、学校の先生がその場で修理するのは難しそうです。
ほんの少し救いとなるのが、デジタイザパネルがディスプレイと簡単に分離可能なこと。どちらかが壊れた場合、修復が簡単になると指摘されています。
第6世代iPadは米国内でChrome OSが60%近いシェアを占めているK-12(幼稚園から高校まで)の教育現場に向けて、15%弱にとどまるiOSの巻き返しを期待された戦略商品と言えます。
が、たとえば教育向けに作られたASUS Chromebook C202は修理難度スコア9点と高評価が付けられています。もともとタフな扱いが想定されていないiPadは、元気一杯の子供たちを相手に厳しい戦いを強いられるのかもしれません。
Engadget 日本版からの転載。