既報のとおり、アップルはiPhoneなどが合法的に記録している各ユーザーの位置情報のデータを匿名化して「Mobility Trends Reports」として毎日更新している。日本はiPhoneのシェアが他国に比べて非常に高いことを考慮すると、実際の人の移動に近いデータと言える。
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現在のところ日本語のページは準備されていないが、都市名をローマ字で入力することで日本国内の移動データを参照することが可能だ。具体的には、東京(Tokyo)、大阪(Osaka)、名古屋(Nagoya)、福岡(Fukuoka)などの人の移動状況を調べられる。
具体的には、2020年1月13日(月)と比較すると、
・東京
自動車:マイナス28%
徒歩:マイナス43%
公共交通機関:マイナス45%
・大阪
自動車:マイナス27%
徒歩:マイナス44%
公共交通機関:マイナス44%
・福岡
自動車:マイナス29%
徒歩:マイナス42%
公共交通機関:マイナス43%
・日本全体
自動車:マイナス26%
徒歩:マイナス36%
公共交通機関:マイナス38%
現在調べられる日本の都市の中で減少率が最も低いのは名古屋だ。特に徒歩での移動がほかの都市と比べて突出して多く、外出自粛要請があまり効力を発揮していないことがわかる。
・名古屋
自動車:マイナス24%
徒歩:マイナス28%
公共交通機関:マイナス33%
なお、本稿執筆時点では、横浜(Yokohama)や仙台(Sendai)、札幌(Sapporo)、神戸(Kobe)、京都(Kyoto)などのデータは参照できなかった。
とはいえ、諸外国と比べると日本の都市の減少率はまだまだ低い。
・ニューヨーク市
自動車:マイナス64%
徒歩:マイナス81%
公共交通機関:マイナス87%
・サンフランシスコ(ベイエリア)
自動車:マイナス61%
徒歩:マイナス74%
公共交通機関:マイナス80%
・イタリア
自動車:マイナス85%
徒歩:マイナス88%
公共交通機関:マイナス90%
医療保険や医療体制、国民性、高齢化率が異なるので諸外国の数字とは一概には比較できないが、アップルのデータを見る限り新型コロナウイルス蔓延を食い止めるには日本国民一人ひとりのさらなる努力が必要だ。
なお同社は、Google(グーグル)と共同でOSレベルの匿名接触者追跡システムも開発している。