本日、東京で開催された新経済サミット2013には数多くのシリコンバレーで活躍するIT起業家が登壇した。この記事ではAirbnb、Uber、oDesk、Fabといった今急成長しているサービスのCEOが参加したセッションをレポートする。
日本ではまだサービスを提供していないスタートアップもあるが、名前を聞いたことはあるであろうAirbnb、Uber、oDesk、Fabの4社。現在は多くのユーザーを獲得し、成長し続けている。ユーザー数1,000万人、会社設立後4年で評価額10億ドル、7秒に1つは商品が売れるなど、彼らのサービスは2、3年で大きく成長してきた。
このような数字を見ると「彼らは元々才能がある」、「アイデアが良かったから成功した」と思い、自分にはマネできないと感じる方も居るだろう。しかし、彼らの話を聞くと、今でこそここまで大きなサービスに成長したが何度も失敗し、そして何度もチャンレジしたからこそ、今成功している。
例をあげてみよう。Fabの創業者Jason Goldberg氏は何度もスタートアップを立ち上げているが、VCから調達した資金を含め4,000万ドルを失ったこともある。Fabを立ち上げる2011年2月直前までは前年から男性同性愛者向けのサービスを2回リリースし、失敗に終っている。
oDeskのGary Swart氏も7年前にスタートアップを立ち上げた際に義理の父から資金を提供してもらったのだが、返済できずに終ってしまった。UberのTravis Kalanick氏はP2Pのサーチエンジンを開発していたが、著作権など法律に触れ数千億ドルの訴訟を起こされたし、Airbnbに関しては立ち上げ期に上手くいかない時期が続いたが、シリアルを作り、それを売ることで日銭を稼いだこともあるし、サービスは4回リローンチしたそうだ。
彼らはこうした失敗で諦めるのではなく、ここから得られる教訓を基に次に進んでいる。セッションの中で彼らが強調したのは「失敗を恐れずに実行すること」だった。アイデアを思いついても実行に移さないのでは意味がない。それは得られるものが何も無いからだ。
FabのJason Goldberg氏によると良い起業家というのは失敗しても、次は違う視点から見れる。そして、失敗は実行を通さなければ経験できない、とAirbnbのBrian Chesky氏は語った。
さて、彼らはスタートアップし、失敗を経験しているが、失敗と判断する撤退の基準はどこに置いているのだろうか。
UberのTravis Kalanick氏は自分のサービスが世界を変えると信じれなくなり、疑問を持つようになった時が潮時だという。
これに対してFabのJason Goldberg氏は1年以内にサービスが大きくならないのであれば、辞めるべきだと語った。なぜならば、現代はサービスが良ければ自然に広がる環境にある。それにも関わらず、1年が経過しても規模が大きくならないのであれば、それは本当に解決すべき問題ではないのだという。
Airbnbは撤退は考えていなかったようだが、100人が愛せるプロダクトならば100万人でも変わらない。だから、100人が好きだと言ってくれることに集中した。その結果、気に入ってくれたユーザーが他のユーザーを呼び込む好循環が生まれ、成長できたそうだ。
要約すると、抽象的だが「自分とユーザーが心から愛せるプロダクト」でないと判断した時が潮時と言える。そして、逆に言えばこの条件を満たせるのならば、成長する可能性は大いにあると言えるだろう。