日本参入狙う自動車データ活用プラットフォーム開発のOtonomoが49億円調達

最近の車は貴重なデータを生み出すことができる。ただ、適切なツールなしではデータは埋もれたままで、その価値は生かされない。

コネクテッドカーから生み出されるデータを自動車メーカーが管理したり使ったりできるようにしようと、多くの企業が登場氏、サービスを開発している。イスラエルのスタートアップであるOtonomo(オトノモ)もそうした企業の1社だ。車両のデータを収集して匿名化するクラウドベースのソフトウェアプラットフォームを開発し2015年にこの業界に参入した。これらのデータを、電気自動車の管理やサブスク式の充電、駐車、マッピング、使用量ベースの保険、緊急サービスなどを提供するアプリを作るのに使うことができるようにする。

Otonomoは今週、自動車データプラットフォームを次のレベルに進化させるためにはシリーズCラウンドで4600万ドル(約49億円)を調達したと発表した。本ラウンドにはSK Holdings、Avis Budget Group、Alliance Ventures、そして既存投資家のBessemer Venture Partnersも参加した。Otonomoがこれまでに調達した資金は8200万ドル(約88億円)となる。

同社によると、新たに調達した資金は事業拡大やプロダクトの改良、競争力の保持に活用される。同社はまた新たなマーケット、特に韓国と日本への参入を狙っている。

「最も厳しいプライバシーとセキュリティの基準に準拠しつつ、我々はいま車のデータを全体的な交通エコシステムのために可能な限り価値あるものにするというビジョンを展開するのに必要なリソースを拡大中だ」とOtonomoのCEOで共同創業者のBen Volkow (ベン・ヴォルコフ)氏は声明で述べた。

同社は、コネクテッドカーのデータを取得する際に安全を確保しつつ、データを収益につなげる機会を創造することにフォーカスしている。データが安全に収集されると、企業が車両やスマートシティ、個人客向けのアプリやサービスを開発するのにデータを使えるようプラットフォームがデータに修正をかける。プラットフォームではまた、個人データと集計データの両方を使いながらもGDPRやCCPA、その他のプライバシー規制に沿うソリューションにする。

Otonomoのプラットフォームは今では車メーカーや車両、農場、建設メーカーとの提携を通じて、車両2000万台超から1日あたり26億データポイントを取得している。Otonomoは25社超と提携していて、そのリストには Daimler(ダイムラー)、BMW、三菱自動車、Avis Budget Groupなどが含まれる。Otonomoによるとさらに7社が間もなく加わるとのことだ。

Otonomoのチャンスは拡大する見込みだ。SBD Automotiveは、2020年に北米と欧州のマーケットで販売される車の70%超がコネクテッドカーになると予測している。

画像クレジット: Art Wager / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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