日本発の国際物流のクラウドサービス「shippio」を手がけるサークルイン、500 Startupsほかから資金調達

個人輸入ではなく事業として、海外の良いものを安く輸入したい、あるいは日本の海外ウケするグッズを輸出したい、というときに案外ハードルとなるのが、船便・航空便の手配や貿易事務の煩雑さ。従来、こうした手続きや管理は、メールや電話、表計算ソフトを駆使して行われてきたが、慣れない言語での交渉や大量の貿易書類の管理が必要で、結構めんどうなものだ。その国際物流手配や管理などをWeb上で一括して行えるサービスが「shippio(シッピオ)」だ。

shippioを開発・提供するサークルインは5月8日、500 Startups JapanYJキャピタルEast Venturesを引受先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。調達額は非公開だが数千万円規模と見られる。サークルインは2016年6月設立で、同年8月にアクセラレータープログラム「Code Republic」に採択されている。今回、YJキャピタル、East Venturesからは、Code Republic(プログラム採択企業は、一律でプレ1億円のバリュエーションで700万円の出資を受け入れる必要がある)に続く追加調達となる。

shippioで行えるのは、コンテナ船や航空貨物便などの見積もり・ブッキングといった物流手配や、専用のダッシュボードを使った輸送状況の確認・管理、貿易書類のクラウドでの作成・管理など。サークルイン代表取締役社長の佐藤孝徳氏によれば、当初は中堅規模の国際物流事業者や商社・メーカーの物流部門などを対象顧客として想定しているとのことだ。料金体系は月額課金を基本とするが、将来的に取り扱い件数が多くなった場合には、通関件数に応じた従量課金の追加も検討するという。shippioは現在ベータ版の事前登録を受付中で、正式公開は2017年6月中旬を予定している。

佐藤氏は今回の調達により、エンジニアの採用、プロダクトの強化を図ると話している。佐藤氏と、サークルイン共同創業者で代表取締役副社長の土屋氏は、三井物産の出身。「サプライチェーンの長さやプレーヤーが多いことなど、2人とも日本の物流の苦労についてはよく分かっているつもり」と佐藤氏は言う。「海外ではFlexportHavenといった、国際物流をテクノロジーで効率化するクラウドサービスがあるが、日本ではまだ海運・空運の課題をテクノロジーで解決するサービスはない。shippioはまずは、既存の国際物流の現場で大変な思いをしている人を助けるための業務支援からスタートしたい。ゆくゆくは、みんなが自由に貿易できるインフラを提供できればと思う」(佐藤氏)

(左からYJキャピタル 堀新一郎氏、East Ventures 衛藤バタラ氏、サークルイン土屋隆司氏、佐藤孝徳氏、500 Startups Japan 澤山陽平氏、James Riney氏)

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TechCrunch Japan

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