以前からアナウンスされていたハフィントン・ポストの日本版が本日ローンチした。これに伴い、ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパンが記者発表会を開き、今後の展望について語った。
本家ハフィントン・ポストの編集長Arianna Huffingtonと日本版編集長の松浦茂樹氏が強調したのは日本の未来を語る場を目標としていることだった。日本版では他国と同様に経済・政治などのニュースを取り上げることはもちろんだが、人間の生活面や健康面といったことも積極的に発信していきたいとう。
というのも、日本の伝統である健康的な食事や、人間の精神的な面においての工夫(Arianaは京都で座禅を組んで感銘を受けたそうだ)などは日本の強みであり、多くの人がこういった情報も求めているからだ。日本版で掲載された記事は海外のハフィントン・ポストにも翻訳されて掲載される。そのため、日本こそが貢献できる領域を発信することは重要だと考えている。
また、日本国内の人口減少、ワークライフバランス、自殺問題といった社会問題に関しても日本の豊かな伝統が解決策を見つけることができるのではないかとArianaは語った。
さて、このような記事を提供する上だけでは既存のメディアと比べて目新しい点はないが、どのように差別化を図るのだろうか。一番のポイントはユーザー同士の活発な対話だ。ハフィントン・ポストが米国で人気を博している大きな理由の1つがこれで、月に4,600万ユーザーがサイトに訪れ、800万件以上ものコメントを投稿しているという。
日本でもこのような状態になることが目標だ。とはいえ、日本ではコメントはあまり投稿されないのではないかと思われる方は多いだろう。松浦氏自身も編集長に就任してから最も多く聞かれた質問がこれだったという。
松浦氏は、ハフィントン・ポストのポジティブな意見を集約し、ネガティブなコメント(批判が絶対的にNGという意味ではなく、議論にならない批判コメント)は意図的に表示しないという編集方針に可能性を感じ、日本でも同じように取組むという。現状は活発にコメントが投稿されることは難しいかもしれない。しかし、継続的に続けていけば…と語った。
なお、ハフィントン・ポスト日本版はAOLと朝日新聞の合弁会社により運営されているが、編集権はハフィントン・ポストにあり、親会社が編集に口出しをすることは無いと語っていたことを付け加えておこう。