暗がりでも読み取れるバーコードスキャナー「Scandit」が750万ドルをAtomicoから調達

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何らかの理由で、エンタープライズ、SAAS、フィンテック、ロジスティクスの分野でスイス出身のスタートアップが評価を得ている ― その好例が、チューリッヒで数年前に創業したScanditだ。彼らのアイデアはとてもシンプルである。バーコードを高価な専用スキャナーで読み取るのではなく、スマートフォンのカメラで読み取るための豊富な種類のハードウェアとソフトウェアを提供するというものだ。2012年にTechCrunchでScanditを紹介したビデオはここにある。しかし、このビデオを観てもらうと分かるように、今のScanditはバーコード読み取りの精度が驚くほど高くなっている。

それを踏まえれば、彼らがロンドンを拠点とするVCのAtomicoからシリーズAで750万ドルを調達したことにも納得がいく。

Scanditはソフトウェア・プラットフォームと頑丈なスマートフォン用のケースを提供している。Motorola、Honeywell、Zebraなどが提供する専用のスキャナーと高価な永年サポート・パッケージにとって大きな脅威となるプロダクトだ。

Scadit CEO兼共同創業者のSamuel Muellerは、「少数の企業がシェアの4分の3を握っています」と話す。つまり、この業界をディスラプトする機は熟しているのだ。

今のところ、HomeDepot、Macy’s、GE Healthcare、Coop Group、PostNL、Shell、Verizonなどの企業がScanditを利用しており、これらの大企業がScanditのアイデアを気に入っていることがこのリストから伺える。

Scanditはとても高度なスキャニング技術を持ちあわせており、バーコードから2メートル以上離れた暗がりでもそれを読み取ることが可能だ。同じことを従来のスキャナーで試してみるといい。また、ScanditはスキャナーSDKも提供しており、サードパーティーのディベロッパーが自身のアプリにスキャン機能を組み込めるようにもなっている。さらに、Scanditの「Flow」プラットフォームにはユーザー・マネジメント機能、デバイス・マネジメント機能、アップデートのプッシュ通知機能、分析機能が備えられている。

Scanditは今後、USやヨーロッパに新しい営業拠点を構えて海外向けビジネスを強化する構えだ。

Scanditの創業は2009年で、創業メンバーはETH Zurich、MIT、IBM Researchなどでリサーチャーとしての経験を積んだ博士たちだ。

編集部注:VerizonはAOL及びその傘下にあるTechCrunchの親会社である。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

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TechCrunch Japan

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