ネット上のプライバシーに対する関心が大きくなっている今、暗号化チャットアプリSignalはそれに乗じて成長しようとしている。今週は二つの新しい機能を加えたが、そのひとつは国際的な検閲への対応、もうひとつは、新しいユーザーに対して、このすべてを暗号化で固めたような製品をユーザーフレンドリーらしく見せるための、いくつかの工夫だ。
Signalの親会社Open Whisper Systemsのブログに詳しく書かれているように、Signalの今回のAndroidオンリーのアップデートは、前置ドメイン(domain fronting)と呼ばれる、ドメインを詐称する手法により、エジプトやUAEなどが国家レベルで行っている検閲を迂回する。
そのブログ記事は曰く、“前置ドメインが十分に大きなサービスであれば、Signalを無効にするためにはインターネットを無効にしなければならないように見えてくる。ユーザーがSignalのメッセージを送ると、それはhttp://www.google.comへの正常なHTTPリクエストのように見えるのだ”。
この検閲回避機能のほかに、SignalのAndroidアプリにはいくつかの楽しい機能が導入された。たとえばユーザーは写真を送るときに、SnapchatやFacebookのようなメジャーなソーシャルアプリのようにステッカーや落書きを加えることができる。
以下は、Signal version 3.25.3 for Androidのアップデートの、完全なリストだ:
- 画像にステッカーや落書きを加えられる。
- 絵文字セットをアップデート!。
- ビデオのサムネイルをサポート。
- MMSメッセージではダウンサンプルしたGIFを使用。
- エジプトとUAEにおける検閲の迂回をサポート。
- バグフィクスと性能アップ。
Signalは本当にプライベートなメッセージングサービスとして、今後ますます、利用者が増えていきそうだ。しかもアプリのユーザーインタフェイスはAppleのMessagesアプリなどに似ていて、PGPなどの暗号化通信にありがちな、難解な感じがない。また、Facebook MessengerやGoogleのAllo、そしてWhatsAppのようなメジャーなメッセージングアプリの機能も、いくつか取り入れている。それだけではなくSignalは、今年の大統領選以降、ユーザーが急激に増加している。
[私は毎日Signalを使っている。(ネタバレ: 彼らはすでに知っている)]
Signalのルーツがオープンソースであり、プライバシー保護が堅固なので、著名なプライバシー活動家の多くが利用している。そしてそのことが、新たな採用者を増やしている。EFFの格付けでは満点を取り(その格付けは今アップデート中)、Edward Snowdenも推奨している。そして、それだけでは物足りない人のためには、ステッカーもある!