暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.8.9~8.15)

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、重要かつこれはという話題をピックアップし、最新情報としてまとめて1週間分を共有していく。今回は2020年8月9日~8月15日の情報をまとめた。

石川県加賀市、マイナンバーカードとスマホアプリ活用のオンライン行政手続きサービスを開始

石川県加賀市は8月13日、個人認証にマイナンバーカードとスマートフォンアプリを使用する、対面・紙・ハンコ不要のオンライン行政手続きサービスの提供開始を発表した。市民の利便性向上を図る目的で、自宅など身近な場所からインターネットを通じて行政手続きを行えるシステム「LoGoフォーム電子申請」を導入。手始めに、加賀市人間ドック助成申請(国民健康保険)手続きを電子申請に対応させ、サービスを開始した

石川県加賀市、マイナンバーカードとスマホアプリ活用のオンライン行政手続きサービスを開始

LoGoフォーム電子申請は、トラストバンクが提供する行政申請フォーム作成ツール「LoGoフォーム」と、GovTech領域に取り組むxID(旧社名:blockhive)提供のデジタルID(身分証)アプリ「xID」(クロスID。iOS版Android版)を連携させた行政手続きデジタル化ツール。加賀市は同ツールを導入し、全国の自治体に先駆けて初めてオンラインによる行政手続きサービスの提供を開始した。

LoGoフォーム電子申請による電子申請手続きは、マイナンバーカードとxIDアプリをインストールしたスマホを用意するだけで、住民は24時間いつでもどこでも、自宅や職場から行政手続きが可能になる。窓口での待ち時間が不要かつ、役所に行くために休暇を取るといった手間を省くことができる。加賀市は、市の人間ドック助成金申請といった一部の行政申請のオンライン化を手始めに、今後も順次、対象となるオンライン申請範囲を拡大していく予定と明かしている。

石川県加賀市、マイナンバーカードとスマホアプリ活用のオンライン行政手続きサービスを開始

LoGoフォーム電子申請は、自治体職員が電子申請やアンケートのウェブフォームを、高度なIT知識やプログラミングなしに簡単に作成・集計できるツール。テンプレートを使ったりパーツを自由にカスタマイズしたりするだけでフォームを作成でき、地方自治体のネットワーク環境LGWAN(総合行政ネットワーク)とインターネットの両方で利用できる。また、LGWAN上で事務サービスを提供するLGWAN-ASPを活用しており、自治体間でフォームを共有することも可能だ。

マイナンバーカードと連携し、手軽に本人認証を行えるデジタル身分証アプリ「xID」

電子申請に利用されるスマホアプリxIDは、マイナンバーカードと連携することで、手軽に本人認証を行えるデジタル身分証アプリ。xIDは、最初の設定でマイナンバーカードの基本4情報(氏名、住所、性別、生年月日)をスマホのNFC(近距離無線通信)を経由して読み取り、マイナンバーカードとxIDアプリをひも付ける。

以降、xIDと連携したサービスでは、個人情報の入力や身分証を使用することなく、本人確認、電子認証、電子署名が可能となり、個人情報を何度も入力する手間を軽減できる。また、事業者もxIDに対応することでマイナンバーカードに紐づく本人確認情報を取得可能となるため、従来の本人確認業務やコストを削減できる。

xIDでは、個人情報を暗号化した状態で記録し、xID運営者であってもその内容を確認できない仕組みを採用。個人情報は、ユーザーが暗証番号(PIN1)を入力し、同意した場合にのみ、事業者側に共有される。また、認証や署名のログは、ブロックチェーン上に記録されるため改ざんできない。なお、ブロックチェーン上には、マイナンバーカードから取得した個人情報が記録されることは一切ない。

石川県加賀市は「ブロックチェーン都市」

加賀市は、ブロックチェーンとICT技術を中核に、新たな産業・経済の創出、教育・雇用の創出、電子行政の推進を目指し、2018年3月に「ブロックチェーン都市」を宣言。2019年12月には、iXDと加賀市における行政サービスのデジタル化に向けた協定を締結し、「行政サービスのデジタル化推進」に向けて協業することに合意している

激闘体験型ブロックチェーンRPG「CHOJO -CryptoGirlsArena-」正式版がリリース

「ブロックチェーンゲーム」×「コンテンツ創出」をテーマにゲームを開発するSEVENTAGEは8月12日、激闘体験型ブロックチェーンRPG「CHOJO -CryptoGirlsArena-」(以下、CHOJO)のサービス開始を発表。3月よりオープンβテストを続けてきた「CHOJO」が、8月8日より正式にサービスをスタートした。

激闘体験型ブロックチェーンRPG「CHOJO -CryptoGirlsArena-」正式版がリリース

CHOJOは、格闘技と美少女がテーマの激闘体験型ブロックチェーンRPG。プレイヤーは個性豊かなファイター達を育成しながら「頂上」を目指す。PCの場合は、イーサリアム(Ethereum)対応ウォレット「MetaMask」をインストールしたウェブブラウザー、またスマートフォンの場合は専用アプリ(iOS版Android版)を利用し遊ぶことができる。

ゲームの内容は育成ゲームにあたり、ファイターらが格闘技を通して成長するストーリーを追いかけながら、所有するファイターを育てていく。ファイターや装備品(アーツ)がNFT(Non Fungible Token。ノン ファンジブル トークン)として発行。これら所有権はユーザーにあり、ユーザー間での売買および譲渡が可能。

CHOJOは、所有するファイターで3人によるデッキを組み、他のプレイヤーやコンピューター相手にバトルを行うのが基本。ファイターそれぞれに、手に入れた装備品をセットし、ターン制でバトルをする。互いに技を繰り出したり、ファイターを交代させたりしながら、先に相手のファイターすべてを倒したほうが勝利となる。バトルに勝利することで、ファイターは成長し、装備などを入手できる。

激闘体験型ブロックチェーンRPG「CHOJO -CryptoGirlsArena-」正式版がリリース

ファイターには、「STR:打撃技」「GRP:締め技」「THR:投げ技」の3つの属性があり、それぞれ三すくみの関係にあり、有利な相手に対しては大きなダメージを与えることができ、不利な相手へのダメージは減少する。属性をいかしながらうまくバトルすることが必須となるゲームだ。大会やイベント等で他のプレイヤーとバトルすることができたり、与えられたクエストをバトルでクリアしたりしていきながら各ファイターを育成できる。

デジタルアセットをすべてイーサリアムのERC-721準拠のNFTとして発行

CHOJOは、世界的に有名なブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」(マイクリ)を開発・提供するdouble jump.tokyoのブロックチェーンゲーム開発支援プログラム「MCH+」のサポートを受け開発・運用を行っている。

MCH+は、マイクリを開発したシステムやノウハウをフレームワーク化した4つの支援プログラム(開発支援・エコシステム構築支援・ファイナンス支援・人材育成支援)でブロックチェーンゲームの開発をサポートする。ゲーム内に登場するキャラクターやアイテムなどのデジタルアセットをすべてイーサリアムのERC-721準拠のNFTとして発行している。CHOJOは、マイクリのNFTに準拠したデジタルアセットとなる。

CHOJOでは、新たにファイターや装備品を購入するには、ゲーム内通貨KOIが必要になる。KOIは、暗号資産イーサリアム(ETH)で購入でき、基本は0.05ETH=600KOIから販売されている。ちなみにゲームは、初めに手に入る3体のファイターのみで遊ぶこともできるので、最初にKOIを用意する必要はない。

正式リリースを記念したセール実施、YouTubeチャンネルの開設も

現在、CHOJOは正式リリースを記念し、ファイターセールを実施している。CHOJOには希少価値の高いファイターLIMITED LEGENDが存在するが、CHOJOリリース後は、LIMITED LEGENDは6種類までと発行上限を決められている。同セールでは、6種類の中から3種類のLIMITED LEGENDが登場する。LIMITED LEGENDは最大発行枚数が5枚となる。なお、今回販売される各ファイターは、セール後も異なる衣装およびレアレティなどで販売されるが、まったく同じものが再販されることはない。

またSEVENTAGEは、CHOJOリリースにあわせて、ゲームに出演する声優をキャスティングしたYouTubeチャンネル「CHOJOちゃんねる」を開設し、運用を開始。ゲーム内容の紹介ほか、今後、ブロックチェーンゲーム初心者に向けた情報や、ゲーム内大会の実況など、「CHOJO」の世界観を発信していく。

Qセルズとみんな電力が、初期投資ゼロの事業者向け再エネ導入サービスを提供

ハンファQセルズジャパン(Qセルズ)とみんな電力は8月12日、工場や建物に低価格で再生可能エネルギー(再エネ)を導入したい企業向けに、初期投資ゼロで再エネが導入できるサービス提供の開始を発表した

両社は、Qセルズが提供する初期費用ゼロ電力販売契約(PPA:Power Purchase Agreement)モデルの太陽光発電による自家消費電力と、自家消費ではまかなえない電力において、みんな電力の再エネ由来の電力供給を組みわせたサービスを提供する。

Qセルズとみんな電力が、初期投資ゼロの事業者向け再エネ導入サービスを提供

世界60ヵ国以上で事業を展開するQセルズは、太陽電池モジュールの生産・販売をはじめPPAモデルによる電力サービスを提供。みんな電力は、ブロックチェーンを活用した再エネ由来の電力マッチングサービスを提供している。両社は互いの強みを掛け合わせ、再エネ100%電力を通じて各社の事業活動をサポートしていく。また新たに開始する両社のサービスは、事業者が費用負担なしで再エネ供給ソリューション導入でき、CO2を削減可能となるという。

まず事業者は、工場や建物の屋根に、Qセルズが所有者となる自家消費型太陽光発電設備を設置することで、発電した電力の供給を受けることになる。サービスの契約期間は10/15/20年から選択可能で、導入時の設置費用、契約期間中の設備保守・メンテナンス費用はQセルズが負担する。顧客となる事業者は、発電設備からの供給電力の電気代を支払うだけで、発電設備に関する費用負担はない。

また、太陽光発電でまかなえない電力は、みんな電力を通じて再エネ由来の電力が供給される契約になっている。みんな電力は、FIT電気+再エネ比率75%の「ENECTプラン」のほか、再エネ比率100%を希望する顧客には「ENECT RE100プラン」を提供。契約期間終了後、顧客の希望により太陽光発電設備を譲渡することもできる。

Qセルズとみんな電力が、初期投資ゼロの事業者向け再エネ導入サービスを提供

同サービスは、太陽光発電により電力を自家消費する仕組みのため、導入することで非化石証書を追加購入することなくCO2排出量削減を実現できることがメリットとなる。さらに、みんな電力の「ENECT RE100プラン」を契約することで、再エネ比率100%を達成できる。同プランは、ブロックチェーン技術を活用したP2P電力トラッキングシステムで電力の発電源が特定可能なため、RE100の求める電源のトレーサビリティ要件も満たしている。RE100は、可能な限り早い時期に(遅くとも2050年までに)、再生可能エネルギー源から事業活動で使用する電力の100%を調達するという目標を掲げ公表する国際イニシアチブ。同サービスは、導入事業者においてもRE100達成を支援する。

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投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。