暗号資産VC「Paradigm」が約2855億円の巨大ファンドを設立

暗号資産市場が最高値の更新に向かい続け、投資家が業界進出への意欲の高いLP(リクイディティプロバイダ-)を投資家が探求する中、新たに登場するベンチャーファンドは、2021年の基準に照らしても巨大だ。

Paradigm(パラダイム)は、Coinbase(コインベース)の共同ファウンダーであるFred Ehrsam(フレッド・エールサム)氏と元Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)パートナーのMatt Huang(マット・ハング)氏が2018年に創業した暗号資産VC会社だ。この会社が最近立ち上げたファンドは魅力的だ。同社が発表した25億ドル(約2855億円)のベンチャーファンドは、史上最大の暗号資産ファンドであり、2021年夏にAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)が発表した暗号資産中心の22億ドル(約2512億円)のファンドを追い抜いた。

「この新ファンドとそのサイズは、暗号資産がテック業界で最も刺激的な最先端領域であることを表しています」と同社の共同ファウンダーらがファンド設立を報告したブログ記事で述べている。

Paradigmは、テック業界を横断して投資する投資会社を出し抜くことを目指すいわゆる「暗号化ネイティブ」VC分野の先端を走ってきた。Paradigmの投資先の中で目立つところとして、FTX、Coinbase、BlockFi、Maker、UniswapおよびSky Mavisがある。

現在、Paradigmはこれまでになく活気に満ちて変化に富んでいる業界に融資するべく、他に類を見ない規模の軍資金を持っている。若きVCは、暗号化分野に深く浸透し、従来型VCが既存の投資手順とそれを支える構造の有効性を考慮に入れなければならない中、新たなファンドを立ち上げる大きなチャンスを迎えている。

ウェブサイトによると、Paradigmには約30名の従業員がいる。2021年11月、Nathan Apsel(ネイザン・アプセル)氏をCFOとして採用した(同氏はJoe Lonsdale[ジョー・ロンズデール]氏の8VCで同じ役職に就いていた)。

ベンチャーキャピタルの中には暗号資産への取り組みが遅れているところもあるが、この分野でParadigmの主要なライバルになるのは、おそらくAndreessen Horowitzだろう。現在3番目の暗号資産中心ファンドを募集中で、2021年すでに数十件の契約を結び、新たな暗号資産ユニコーンを育て、数カ月後に多くの同じ投資先に倍賭けしている。最近大幅な増員を行った結果、暗号資産チームには50名以上のメンバーがいる。

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画像クレジット:Ethan Pines

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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