【編集部注:本稿の執筆者、Anshu SharmaはStorm Venturesのベンチャーパートナー】
数週間前、The Wall Street Journal が「アプリの後に来るものは何か」と題した優れた記事を掲載した。
今日のアプリにいくつか重要な問題があるという前提に異論はないものの、アプリが何か全く新しい物に取って代われるという結論には同意できない。
未来のアプリは、進歩的なウェブアプリと、チャットアプリの中に埋め込まれたアプリ機能だ。私が思うに、アプリは様々なエコシステム上に場所を持つ ― 店舗アプリやチャットアプリ内等 ― だろうが、それはアプリの一面にすぎない。
アプリは数多くの問題を抱えており、われわれはそれを解決する必要がある。チャットやブラウザーの中に入れたら問題が消えると思ってはいけない。それは問題をすりかえているだけだ。
私にとって、アプリには以下のような問題があり、こうした新しいパラダイムはごくわずかな問題を解決するだけで、それ以外の問題を悪化させている。
ダウンロードとインストール:受信したSMSやメールのリンクをクリックした時、まずアプリをダウンロードしてインストールしなければならないと知ることがある。
これは苦痛である。なぜなら本当にそのアプリが自分のスマホに「永久」に存在してほしいかどうか決断を迫られるからだ。
しかも、殆どのアプリには厄介なサインアップ手続きがある。
対照的に、WeChatやFacebookでメッセージを受け取った時は何もインストールする必要がない ― プラッフォームが事前にこのアプリ(例えばUber)は埋め込む価値があると決めているからだ。
しかし、iOSやAndroidはわれわれがアプリをインストールする手続きをそこまでシームレスにできるのだろうか。もし「タクシーを呼ぶ」を「Uber」に設定しておけたらどうだろう(しかも標準で)? iOSとAndroidは、アプリを〈アイコンから動詞〉へと変えられるべきだ。
サインアップ:最近のアプリでは良くなってきてはいるが、サインアップ自体が本来不必要であり、殆どのアプリで面倒だ。アプリストアがアプリの動作に最低限必要な情報を収集しておけば、ユーザーが許可を与えることで、殆どのサインアップを不要にできるだろう。
再発見と利用:そんなインストールのハードを越えた後、殆どのアプリは忘れられて二度と使われない。ここでもFacebookのようなソーシャルプラットフォームは広告を出し(収益化が可能)、そのアプリをもう一度試すよう促すことができる。しかし、もしスマートフォンOSがコンテキストに応じて適したアプリを推奨してくれたらどうだろう。写真を撮る時には写真を保存・編集するアプリを5種類、地図を見る時にはタクシーを呼ぶ等のアプリを4種類。さらに、アプリからアプリへの移動も手伝ってくれる ― 例えば、YelpからOpentableへ。
整理:多くのユーザーが何十種類ものアプリを持っている。フラットにあるいはフォルダーでアプリを整理する方法はもう時代遅れだ。一番使われないアプリは徐々に見えなくして(最終的に静かに削除される)、スマホOSがコンテキストに応じて適切なアプリを浮上させるべきだ。アプリは動詞 — ただし固有名詞のように扱われ、ファイルのように名前のある存在であるべきだ。ユーザーを楽にする
もっと良い整理方法があるはずだ。アプリをメッセージアプリの中に入れても、この問題は解決しない。
統合:メッセージングアプリに埋め込まれたアプリは、ある意味で(軽度に)事前統合されている。しかしそれは特定のワークフローについてのみ真実である。一般的にはモバイルOSが、Workatoのようなテクノロジーと協力して、複数のアプリを意味のある形で結びつけるべきだ。
二大エコシステム ― iOSおよびAndroid ― のOSとアプリストアには数多くの隙間があり、WeChatのようなメッセージングアプリがうまく埋めている。しかし、これはアプリの問題を解決する唯一の方法ではない。アプリがなくなることを願うことはできない ― アプリは何百億ドルもの金をデベロッパーのために生み出し、何千億ドルもの金をエコシステムに与えてきた。アプリ間のギャップを修復し、シームレスで使いやすくすることがわれわれにはできるはずだ。
アプリの未来はアプリである。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)