ビル内のオフィスや地下にある店舗などでは、自然光を取り入れづらく、空間に閉塞感が生まれがちだ。しかし、コロナ禍においてテレワークやネットショッピングが普及しつつある今、リアルオフィスやリアル店舗は、オンラインではなし得ないコミュニケーション活性化のためのリラックス感やデライト感、またネットショッピングでは難しい実体験を得られる場所としての位置づけが求められている。
パナソニック ライフソリューションズ(以下、パナソニック)が開発した空間演出システム「天窓Vision」が、そんな閉塞感を払拭し、新たな体験をもたらすかもしれない。
天窓Visionは、2019年に同社が開発し、リラックス感や外とのつながりを感じられることを実証実験で確認した「天窓照明」より約2.4倍の発光面積を持つ約1.1m角の大型タイプを展開。さらに本体同士の連結(最大3台)と、映像コンテンツの連動(6台まで)を可能にしたことで、本物の大きなガラス窓から見える景色のような、ダイナミックかつ解放感のある空間演出を可能にした製品だ。
天窓Visionには、刻々と移り変わる空の色や流れる雲だけでなく、木々と木漏れ日、桜、紅葉といった季節に応じたコンテンツのほか、星空や雨模様、イルカやオーロラといった、通常の窓からは見られない景色も表示できる(有料オプション)。もともと柔らかで奥行き感のある映像表現を行っていた天窓照明に、高解像度機能を持たせたことにより、このような映像コンテンツの拡充が図れたという。
また、天窓照明に比べ、製品の高さを約30%低減し、大型タイプだけでなく小型タイプも展開したことにより、スペースの限られる天井裏や、面積の取れない壁や天井などへの設置を可能にした。
さらに、天窓Visionの空間演出に合わせ、照明や音響、プロジェクターなどの機器と連動できる制御ユニットも開発中。バイオフィリックデザイン(バイオ=自然、フィリア=愛好。建築物の中に自然とのつながりを感じられるようにするデザインのこと。業務効率や幸福度に影響を与えると考えられている)にデジタル技術をかけ合わせた新たな空間演出をパナソニックでは提案していく。
天窓Visionは、機器に映像システム、標準コンテンツ、施工、設定をパッケージにしたエンジニアリング商品で、2021年6月1日からパナソニックの関係会社でエンジニアリング事業を担う事業会社を通じて展開。制御ユニットは2021年夏頃の完成を目指しており、天窓Visionを扱う同事業会社を通じ、天窓Visionと組み合わせて展開する。制御ユニット単体での販売は予定していない。
パナソニックでは、天窓Vision導入に関する問い合わせフォームを設置している。
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