機械学習モデルのパフォーマンスをモニタリングするArthurが約3.6億円調達

機械学習は複雑なプロセスだ。まずモデルを構築し、実験室の条件でテストしてから、世界に公開する。だがその後、そのモデルが意図した動作にどのくらい従っているのかをモニターするにはどうすればいいだろうか?Arthurはそこを助けようとする企業だ。米国時間12月11日にステルス状態から浮上し、現場で実際に使われている機械学習モデルをモニタリングするプラットフォームを公開した。同社はまた、8月に330万ドル(約3億5800万円)のシードラウンドを行ったことも発表した。

画像クレジット: Vladyslav Bobuskyi / Getty Images

ArthurのCEO兼共同創業者であるAdam Wenchel(アダム・ウェンチェル)氏は、ArthurはNew RelicやDataDogのようなパフォーマンスモニタリングプラットフォームに似ているが、システムの稼働状況をモニタリングするのではなく、機械学習モデルのパフォーマンスを追跡するだと言う。

「私たちはAIをモニタリングし説明能力を引き出す企業です。つまり、実稼働環境に置かれたモデルが軌道を外れておらず、何をしているかを説明できるようにモニタ可能にするということです。パフォーマンスが悪くなく、完全に偏っているわけではないこと。モデルがうまくいかなくなる可能性をすべてモニタリングするのです」とウェンチェル氏は説明する。

データサイエンティストたちはラボの中で機械学習モデルを構築しテストを行うが、ウェンチェル氏が言うように、そのモデルがラボの制御された環境を離れてしまうと、多くの問題が発生する可能性があり、それを追跡することは困難なのだ。「モデルはラボの中では常に良好に機能しますが、現実の世界でモデルを使用すると、多くの場合、パフォーマンスが低下します。実際、常に低下すると言っても過言ではないでしょう。そのため、測定とモニタリングをする能力が、本当に求められているのです」と同氏。

興味深いことにAWSは先週、SageMaker Studioの一部として新しいモデルモニタリングツールを発表した。またIBMも、今年初めに Watsonプラットフォーム上で構築されたモデル向け の同様のツールを発表したが、ウェンチェル氏は、Arthurの製品はプラットフォームに依存していないので、大企業が参入してくることは彼の会社にとって有利になるだろう述べている。「スタック全体で同等に機能する、モニタリングのための中立なサードパーティツールがあることには、大きな価値があります」と語る。

シード調達は、Work-Bench とIndex Venturesが共同で主導し、HomebrewのHunter Walk(ハンター・ウォーク)氏、AME VenturesのJerry Yang(ジェリー・ヤン)氏などが参加した。

Work-BenchのゼネラルパートナーであるJonathan Lehr(ジョナサン・レア)氏は、多くの可能性を秘めた会社として見ている。「私たちはFortune 1000企業の機械学習責任者と定期的に話し合っていますが、よりデータ駆動型に進む彼らの最大の関心事の1つが実稼働におけるモデルの振舞いなのです。Arthurプラットフォームは、AIのモニタリングと透明性に関して、私たちがこれまで見てきた中では最高のソリューションです」とのこと。

ニューヨークに拠点を置く同社は、現在10人の従業員を抱えている。2018年に発足して以来、彼らはこの製品の開発に真剣に取り組んできた。本日をもって製品が公にリリースされた。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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